※画像はイメージです/PIXTA

わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。今回は物理の「音の伝わり方」です。

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    音と光の「相違点」と「共通点」を整理しよう

    いきなりですが、音と光について共通点と相違点をまとめてみました。

     

    [図表1]

     

    みんなの耳に音が聞こえるのは、空気の振動を鼓膜(こまく)が感じているからです。

     

    のどに指を当てて「あー!」と声を出してみてください。ブルブルと震えているでしょ? そのブルブルが空気を伝わって、みんなの耳の鼓膜をブルブルと震わせます。それが脳に伝わり、音が鳴ったということを認識しているのですね。

     

    みんなの鼓膜まで振動を届けてくれるのは、空気です。つまり、空気がない真空状態では音は聞こえないのです。

     

    [図表2]

    これは、フラスコのなかの空気を水蒸気(すいじょうき)で追い出して、真空に近い状態をつくることで確かめることができますよ。

     

    真空状態のなかで鈴が鳴っても、周りに空気がないのでフラスコの外まで音が伝わらないのです。

     

    宇宙で戦う映画などでは、敵を倒(たお)したときに「ドカーン」と大きな音が鳴っていますが、宇宙は真空。実際には、宇宙では敵を倒した音は伝わってきません。光は透明なところを伝わるから、遠くでピカッと敵の船が光るのは見えるけれど、音は聞こえないのです。

     

    もし、音が聞こえたら大変ですよ。それは自分の船がやられたということですからね。宇宙船のなかには空気があるので、自分がやられたときだけは音が聞こえるのです。

     

    光は透明ではないところを通り抜けることはできないけれど、音は透明ではないところも伝わります。これは、壁(かべ)の向こうの景色は見えないのに音は聞こえるということを考えれば、すぐわかりますね。

     

     

    次ページ1秒間で光は地球を7周半、音は340m

    ※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 生物・物理編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

    中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

    中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

    立木 秀知

    実務教育出版

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