※画像はイメージです/PIXTA

日本では少子化が進展する一方、子どもひとりにかける教育費は右肩上がりです。わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

 

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中学受験専門塾による「理科 地学・化学」の授業を再現しました。ただ知識を教えるのではなく、理科の楽しさに気がついてもらい、自分で考えて説く力を身につけられるよう意識してまとめています。高校受験、大学受験を目指す中高生や、大人の学び直しにも大いに役立ちます。

地球のプレートの動き・地震・火山の噴火が起こるワケ

みんなも「プレート」という言葉や、「かつて大陸は一つだったけれど、それが分裂し移動していまみたいな形になった」「ハワイはどんどん日本に近づいている」といった話を、一度は聞いたことがありませんか?

 

でも、「プレートっていったいなに?」「なんで大陸が移動するの?」「火山の噴火(ふんか)や地震はなぜ起こるの?」という疑問に、きっちり返答できる人は少ないんじゃないかな。今回はその部分を勉強しましょう。どれも地球のしくみに関わる話です。

地球の「マントル」と「プレート」

一般的に、地球は岩石惑星(わくせい)に分類されるので、地球を大きな石ころのようなカチカチの固体としてイメージしがちですが、実際は違(ちが)います。

 

地層は地球表面の地殻(ちかく)と呼ばれる部分にあります。ここはカチカチの固体です。地殻の厚さは30kmほどありますが、割合で言えば卵の殻(から)程度もありません。

 

中心には、内核・外核という金属でできた核があります。

 

その外側にあるマントルは地球の大部分を占め、中心付近は約3500℃、地表付近では約1500℃と温度差があるので、対流(たいりゅう)をしています。

 

 

マントルは、固体と液体の中間の水あめのような状態をイメージするとよいでしょう。地下深くの高い圧力を受けて、高温でドロドロしているので、固体なのに対流するのです。

 

ただ、かなり地表に近い部分では、マントルが地殻と同じようにカチカチになります。このカチカチになったマントルと地殻を合わせた部分をプレートと呼んでいます。

 

プレートとは、地殻とマントル上部が一体となったものなのです。

 

★地学の深掘り★

プレートがマントルの対流にひきずられて動くという考え方が「プレートテクトニクス」です。このプレートテクトニクスの考え方が広まったことで、それまで別個のものとして考えられていた火山や地震などの現象を、同じ視点で理解することが可能になりました。

海底(海洋プレート)は、海嶺で生まれて海溝に沈む

プレートには、海洋プレートと大陸プレートがありますが、ここでは海の底にある海洋プレートを中心に説明します。海洋プレートは、簡単に言うと海底のことです。

 

技術が進み、海底の調査が可能になると、場所によって海底のつくられた年代に違いがあることがわかりました。

 

海嶺(かいれい)に近い場所ほど、地質年代が新しかったのです。

 

海嶺は、海底の山脈のことで、海底火山がたくさんある火山連邦です。

 

海底はここで産まれていたのです。

 

同じく、海底が消滅する場所も判明しました。それが海溝です。海嶺で誕生した海底は、少しずつ動いて移動し、数億年かけて海溝に沈(しず)み込(こ)み、また内部でドロドロになるのです。

 

 

 地学のミニCOLUMN 


海溝付近では、この沈み込んでいくプレートの作用がマグマを生み、火山をつくる原因にもなっています。マグマは固体だったマントルが液体になったもので、プレートとともに沈み込む水が、マントルの密度や圧力に変化を加えてマグマができると言われていますが、くわしい生成のされ方についてはいろいろな説があるので、まだはっきりしたことはわかっていません。人間が穴を掘れるのはせいぜい10㎞程度なので、まだまだわからないことが多いのです。

 

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中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編

立木 秀知

実務教育出版

雨が降れば傘を差し、服が汚れれば洗濯をする。 では、なぜ雨は降るのか。 そして、なぜ洗剤で洗濯をすると、服はきれいになるのか。 本書を執筆するにあたって、まず意識したのは、この「なぜ」という部分だ。 単純な…

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