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空気=窒素8割+酸素2割+二酸化炭素0.04%くらい
今回は、空気中の気体の性質について学習しましょう。
空気はいろいろな気体の集合体ですが、受験上は窒素(ちっそ)8割、酸素2割、これで空気のできあがり。これくらいの感覚でOKです。
ついでに、二酸化炭素は0.04%くらいと覚えれば完璧(かんぺき)です!
実際には表のように様々な微量の気体がありますが、覚える必要はありません。
空気中の気体でよく入試に出るのは酸素と二酸化炭素なので、その二つを中心に学習を進めていきましょう。
気体を集めるには「3つの方法」がある!
空気中の気体の特徴(とくちょう)を勉強する前に、気体の集め方について話しておきましょう。気体を集める方法には、3種類あります。
水上置換法(すいじょうちかんほう)、上方置換法(じょうほうちかんほう)、下方置換法(かほうちかんほう)です。
①水上置換法
この方法は、水を入れた集気ビンのなかに気体を集めていくやり方です。ほとんどすべての気体はこの方法で集めます。
②上方置換法
この方法は、空気中で気体を集めるやり方です。水に溶(と)けやすく空気よりも軽い気体を集めるのに適しています。この方法で集められるのはアンモニアです。
③下方置換法
この方法では、図のように空気中で気体を集めます。水に溶けやすく空気よりも重い気体を集めるのに適しています。この方法で集められるのは塩化水素です。
基本は「水上置換法」…上方置換法・下方置換法は例外
ここで注意してほしいことがあります。
まず、基本的に気体は水上置換法で集めます。なぜなら、水上置換法では周りから余計な気体が入ることがないので、純粋な気体を集めることができるからです。他の二つの集め方は空気中で集めるので、集めたい気体以外の不純物がどうしても混ざってしまうのです。
「じゃあ、全部水上置換法でいいじゃん!」と思うかもしれませんが、そうもいきません。水に溶けやすい気体は全部水に溶けてしまって集まらないのです。
水に溶とけやすい気体の代表が、アンモニアと塩化水素。
アンモニアは空気より軽いので、上方置換法で、塩化水素は空気より重いので、下方置換法で集めます。
そうだ、「集気ビンに最初に集めた気体は捨てる」ということも覚えておきましょう。最初に集めた気体には、実験を始める前から三角フラスコ内に入っていた気体(空気)が混ざっているからね。
では、各気体の性質について勉強していきますよ。
たとえば、二酸化炭素は空気より重いので下方置換法で、水素は空気より軽いので上方置換法で集めることもできます。でも、水上置換法と違(ちが)い不純物が混ざってしまうので、基本的には水上置換法で集めるのです。