※画像はイメージです/PIXTA

わが子を難関私立中学に進学させたい親は、合格のためにどの程度の知識が求められるか、自身で体感してみることも有益です。ここでは科目を理科に絞り、中学受験に必要な学習内容とその難易度を、有名塾の講師が作成した参考書をもとに紹介します。今回は化学の「気体の性質」です。※本記事は、『中学受験「だから、そうなのか!」とガツンとわかる 合格する理科の授業 地学・化学編』(実務教育出版)から抜粋・再編集したものです。

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空気=窒素8割+酸素2割+二酸化炭素0.04%くらい

今回は、空気中の気体の性質について学習しましょう。

 

空気はいろいろな気体の集合体ですが、受験上は窒素(ちっそ)8割、酸素2割、これで空気のできあがり。これくらいの感覚でOKです。

 

ついでに、二酸化炭素は0.04%くらいと覚えれば完璧(かんぺき)です!

 

実際には表のように様々な微量の気体がありますが、覚える必要はありません。

 

空気中の気体でよく入試に出るのは酸素と二酸化炭素なので、その二つを中心に学習を進めていきましょう。

気体を集めるには「3つの方法」がある!

空気中の気体の特徴(とくちょう)を勉強する前に、気体の集め方について話しておきましょう。気体を集める方法には、3種類あります。

 

水上置換法(すいじょうちかんほう)、上方置換法(じょうほうちかんほう)、下方置換法(かほうちかんほう)です。

 

 ①水上置換法 

この方法は、水を入れた集気ビンのなかに気体を集めていくやり方です。ほとんどすべての気体はこの方法で集めます。

 


[水上置換法]

 

 ②上方置換法 

この方法は、空気中で気体を集めるやり方です。水に溶(と)けやすく空気よりも軽い気体を集めるのに適しています。この方法で集められるのはアンモニアです。

 


[上方置換法]

 

 ③下方置換法 

この方法では、図のように空気中で気体を集めます。水に溶けやすく空気よりも重い気体を集めるのに適しています。この方法で集められるのは塩化水素です。

 


[下方置換法]

基本は「水上置換法」…上方置換法・下方置換法は例外

ここで注意してほしいことがあります。

 

まず、基本的に気体は水上置換法で集めます。なぜなら、水上置換法では周りから余計な気体が入ることがないので、純粋な気体を集めることができるからです。他の二つの集め方は空気中で集めるので、集めたい気体以外の不純物がどうしても混ざってしまうのです。

 

「じゃあ、全部水上置換法でいいじゃん!」と思うかもしれませんが、そうもいきません。水に溶けやすい気体は全部水に溶けてしまって集まらないのです。

 

水に溶とけやすい気体の代表が、アンモニアと塩化水素

 

アンモニアは空気より軽いので、上方置換法で、塩化水素は空気より重いので、下方置換法で集めます。

 

そうだ、「集気ビンに最初に集めた気体は捨てる」ということも覚えておきましょう。最初に集めた気体には、実験を始める前から三角フラスコ内に入っていた気体(空気)が混ざっているからね。

 

では、各気体の性質について勉強していきますよ。

 

★化学の深掘り★

たとえば、二酸化炭素は空気より重いので下方置換法で、水素は空気より軽いので上方置換法で集めることもできます。でも、水上置換法と違(ちが)い不純物が混ざってしまうので、基本的には水上置換法で集めるのです。

 

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