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テレビやスマホの画面は、光の三原色で表現されている
光の勉強を始める前に、「ものが見える」というのはどういうことなのかについて話をしておきますね。
みんなはいま、この本の文字を見ることができるでしょ。
それって、どうして見えているのかな?
たとえば、電気を消してカーテンを閉めて部屋を真っ暗にすれば、本の文字はなにも見えなくなりますよね。
明るい部屋のなかで文字やものが見えるのは、蛍光灯などの明かりから出てきた光がものに当たって、その光が反射して目に入ってくるからです。
虹(にじ)を見ればわかるように、光にはたくさんの色があります。元になっている色は三つあって、赤・青・緑を光の三原色と言います。
この光を集めていくと徐々に明るい色になっていって、全部集まると光は白く見えるのです。
テレビやスマホの画面は、この3色の発光度合いを変化させて、様々な色の映像を表示しています。
現在は生活の様々な場面に省エネのLEDが使われていますが、21世紀になるまで、その役割は普通の電球が担(にな)っていました。長いあいだLEDが普及しなかったのには訳があります。「青の色」がつくれなかったのです。
青がなければ白がつくれません。完全な色を再現できないテレビなんて、誰も買いませんよね。
光は「直進・反射・屈折」の三つの性質を持っている
光には、三つの性質があります。
一つ目は直進。読んで字のごとく、まっすぐに進むという意味です。
二つ目は反射。はね返ることですね。
三つ目は屈折(くっせつ)。これは折れ曲がるということ。違(ちが)うものに入るときに、その境界面で光が折れ曲がるのです。
まとめると、光は同じ物質のなかを進むときには直進しますが、違うものに入るときに、その境界面で折れ曲がります。
広がっていく「拡散光線」、平行に進む「平行光線」
光の進み方には平行光線と拡散光線と呼ばれる2種類があって、どちらも直進するんだけれど、進み方には次の図のような違いがありますよ。
電球のように広がっていく光は拡散光線、日光は平行光線と言います。
正確には日光も拡散光線だけれど、あまりに大きくて遠くにあるので、地球上ではほぼ平行になるから平行光線に分類されているんですね。
光の直進によってできるものの代表に、影(かげ)があります。もし、光が曲がるようになったら大変です。本来は影になるはずの部分にも光が当たって影はできなくなるから、影ふみ鬼ができなくなっちゃいますからね。
それ以外にも大変なことがあります。なんと方向がわからなくなってしまうのです。
人間の目は、光が入ってきた方向にものがあると認識しています。
前方のものが見えるのも、後方のものが見えないのも、光が曲がらないからです。
もし光が曲がったら、本来届かなかったはずの光が目に入ってくるので、見えるはずのないものが見えてしまい、方向がわからなくなるのです。想像しただけで怖くなってきますね。