(※写真はイメージです/PIXTA)

マンション総会は、区分所有者が集い、マンションの管理運営・維持・管理を自分達で話し合い判断して実行します。多くの組合員が出席して充分に意見を出し合い、組合員の総意で組合運営の意思決定を行うことが重要だというが…。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

通知していない緊急動議は、議案として決議できない

■総会での緊急動議

 

区分所有法第37条1項に「集会においては、第35条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。」2項では、「この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。」と規定されています。本件のようにあらかじめ通知していない緊急動議は、議案として決議することはできません。

 

このような動議を認めると、総会に何らかの理由で出席しなかった組合員の議決権行使の権利を侵害することになるからです。

 

欠席して議決権行使書により議決権を行使した組合員や委任状により議決権を行使した組合員は、事前に配付された議案書に書かれている議案に対して議決権を行使したのであって、総会の場で新しい議案が堤出されて取り上げられて審議採決行うとしたら、当該欠席組合員にとって不意打ちとなりこれらの議決権行使を妨げることになると考えられ混乱が生じます。

 

総会の議長は、あらかじめ通知されている「議案」通りに議事を進行することが適切です。したがって、あらかじめ通知された議案の内容の変更を求めて提出される修正動議も、原則できないと考えられます。

 

松本 洋
松本マンション管理士事務所 代表

 

 

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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