(※写真はイメージです/PIXTA)

マンション総会は、区分所有者が集い、マンションの管理運営・維持・管理を自分達で話し合い判断して実行します。多くの組合員が出席して充分に意見を出し合い、組合員の総意で組合運営の意思決定を行うことが重要だというが…。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

総会には組合員の半数の出席が望ましい

■総会開催とは

 

分譲マンション(区分所有建物)を購入すると、建物の区分所有などに関する法律に基づいて、購入者は区分所有権を有する区分所有者になり、「全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うため団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」ようになります(区分所有法第3条)。

 

つまり、区分所有者全員をもって管理組合を構成することになります。

 

区分所有者はマンション適正化と円滑な共同生活を維持するため、マンションの管理運営・維持・管理を自分達で話し合い判断して実行することになります。この管理組合の最高の意志決定機関が『総会』です。

 

■委任状と議決権行使書

 

総会は重要な行事です。総会で意見を述べるまではいかなくても、管理組合運営において確認したい事柄がある場合は、質問をして日頃の疑問を解消することも重要です。総会は管理組合最高の意思決定機関です。なるべく多くの組合員が出席して充分に意見を出し合い、組合員の総意で組合運営の意思決定を行うことが本来の姿です。

 

また、標準管理規約第46条第4項では「組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる」、同条第5項では「組合員又は代理人は、代理権を証する書面を理事長に堤出しなければならない」と規定されています。代理権を証する書面とはいわゆる「委任状」のことです。

 

また、出席組合員とは、標準管理規約第47条第5項に「書面又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなします」ので書面または代理人によって議決権を行使する者と実際に出席する組合員との合計数です。

 

しかし、実際に総会に出席している組合員の割合を示す「実出席割合」についてですが、理想の割合についてのはっきりした目安はありません。

 

実出席割合は、議案の内容によっても増減することがあります。

 

議案が管理規約の制定、変更、廃止や共用部分の形状または効用の著しい変更を伴う場合は、組合員の関心も高く特別多数決議のため実出席者が増えることが考えられます。

 

総会の出席率は「マンション管理標準指針」では少なくとも半数程度の区分所有者が実際に出席しているのが望ましいとされていることから、毎回半数程度の実出席者の確保を目標値として設定してはどうでしょうか。

 

総会の重要性について組合員に理解と協力を求め、それぞれの管理組合の実情にあわせて開催場所、開催日時の選定、消防訓練などのイベントや組合員の懇親会と組み合わせるなど組合員が参加しやすいような工夫や手段が必要です。マンションは組合員の共有の財産ということを各組合員が自覚して、積極的に出席するのが望ましい姿です。

 

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マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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