(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)への取材レポートです。今回は、東京都心5区のオフィス空室率の動向をもとに、Jリートの見通しについて考えます。

Jリートの投資主体別売買動向

次に、東証発表のデータで需給動向をフォローアップする。7月の投資主体別売買動向では、委託売買代金の6~7割程度を占める海外投資家は314億円で6ヵ月連続で買い越した(図表5)。イールドスプレッド(予想分配金利回り-10年国債利回り)など、グローバルで見たJリートの割安感が海外投資家の買い越し額を増加させたとみられる。

 

【図表5】Jリートの投資主体別売買動向(2021年7月まで)

 

一方、法人は6ヵ月連続の売り越しとなった。7月は223億円の売り越し。内訳を見ると、引き続き投資信託の売り越し幅が大きい。7月は266億円の売り越し、年初から7ヵ月連続の売り越しとなり、累計で-1425億円となった。

 

個人投資家の保有割合が多い投資信託はJリート市場の値上がりを受け、利益確定売りが継続している。一方、日銀による買付は4月以降4ヵ月連続買付がゼロとなっている。

Jリートの見通しと投資戦略

今後のJリート(東証REIT指数)は、引き続き上値の重い展開を想定する。①NAV(純資産価値)倍率などバリュエーション面で上値余地が低下していることや、②良好な需給要因が6月に剥落したこと(2020年9月から全4回に渡るFTSEグローバル株式指数シリーズへの組み入れが6月で終了)などから、2200ポイントを超えた上値追いの買いは想定しにくい。

 

ポートフォリオ戦略では、利回り重視のコア部分(7~8割)は長期の保有を継続。キャピタルゲイン中心のサテライト部分(2~3割)は短中期の視点から商業施設やホテルリート(総合、複合リート含めて)の押し目買いを継続したい。

 

米国リートやディフェンシブ色の強いヘルスケアJリートなども活用しリスクを低減させながらリターン向上を図る分散ポートフォリオを構築することも一案だろう(参照:『分散投資対象としての「米国ヘルスケアリート」と「東証上場インフラファンド」』)。

 

【参考】投資主体別売買動向の内訳データ
 

中村 貴司

東海東京調査センター

投資戦略部 シニアストラテジスト(オルタナティブ投資戦略担当)

 

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