借金の「完済」は考えなくていい
「借金は返さないといけないから」
借金アレルギーを持つ経営者はそう思うはず。
でも、本当に借金は返さないといけない? それは、そのとおり。踏み倒すことはできない。でも、返せばいい。返し続ければいい。
ただ返し終える必要はない。返済さえ滞らなければずっと借りていられる。
一定期間返済し、手持ちの現金が固定費の6ヵ月分を切ってきたら、また借りてもいいし、借り換えてもいい。
つまり、借金は返さないといけないけど、完済なんて考えなくていい。
そもそも、経営は借金と付き合っていくもの。貸借対照表を見れば、それが分かる。
貸借対照表は、右側が負債と純資産、左側が資産を表している【図表】。
負債の項目はどうなっているか。
流動負債は、買掛金、短期借入金、未払金などがある。これらはすべて借金。
短期借入金は借金そのものだし、未払金は誰かに払う予定のお金のことだから、現時点では、その誰かから借りていることになる。つまり、借金。
支払手形と買掛金も同様、取引先に払うお金であり、現時点では取引先から借金している状態。
科目は違ってもすべてどこからかの借金なのである。
買掛金をなくそう、すべて現金払いで仕入れようなんて考える経営者はいないはず。買掛金はOKで融資はダメというのは、理屈として成立しない。
重要なのは、借金を減らすことではなく、完済することでもない。借金という手段をうまく使って、現金を調達すること、減らさないこと。返すことより、借りることに目を向けること。