会社が潰れる本当の原因は、赤字や債務でなく「資金不足」です。言い換えれば、手持ちのお金があれば潰れる可能性はほとんどないということ。金額の目安は「固定費の6ヵ月分」ですが、どの企業も簡単に用意できるわけではないでしょう。コロナ危機を乗り越えるための「資金繰りのコツ」を解説します。
経営が順調なときこそ実は「借金するべき」
「固定費6ヵ月分は大金…」
「すぐに用意するのは難しい」
そう思う人もいるかもしれない。でも、用意しないといけない。なぜなら、そのお金が会社の未来を守ってくれるから。
理想は、利益をコツコツ貯めていくこと。ただ、時間はかかるよね。そこで考えたいのが融資。自分で稼いだお金でも、銀行などの金融機関から借りたお金でも、お金はお金。調達方法はたいして重要ではない。重要なのは、危機を乗り越えるための現金を持っているかどうか。
注意したいのは、銀行などの金融機関から借りるためには、「貸したい」「借りてほしい」と思われる会社でなければならないこと。銀行などの金融機関が貸したい会社とは、経営に問題がない会社。つまり、経営に問題がなく、順調なときに借りる。借りておく。これが大事。経営が苦しくなってから融資を申し込んでも、融資担当者はきっと嫌がるだろう。
ペヤングの場合もそう。お金がない状態でゴキブリ問題が発生していたら、そのタイミングで銀行に融資を申し込んだとしても断られていたかもしれない。だから、危機に陥る前に資金を作る。銀行などの金融機関の視点を持って「貸したい」と思う状態のときに借りておく。それが資金繰りのコツ!
SMG税理士事務所 代表税理士
1975年三重県生まれ。高校生の頃はクラスで成績最下位、かろうじて入学した専門学校をドロップアウトするなど、落ちこぼれの青春時代を過ごす。その後、記帳や申告業務を淡々とこなす従来の税理士像を覆し、「真の意味で中小企業の経営をサポートする税理士になる」と、決意を新たにする。人よりも3倍の勉強量で税理士試験に打ち込み、20代で税理士資格を取得。
現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の財務コンサルタントとして活躍。銀行が絶賛する独自資料の作成で赤字会社も含め融資実行率は95%以上。顧問先の黒字企業割合は85%を実現し、全国平均30%を圧倒的に凌ぐ。これまでに全国各地で1,000本以上の講演やセミナー講師を務め、1万名超の経営者が受講し、大手企業からの講演依頼が絶えない。
YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は開設わずか1年で登録者数38万人を突破し、TV、専門誌、新聞、各メディアで取り上げられ注目を集めている。「努力と結果は比例する!」を座右の銘として、YouTube、ブログ、SNSで経営のノウハウを毎日配信している。好きな食べものは天津飯。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載「キャッシュリッチ企業」になれ!激レア資金繰りテクニック