会社が倒産に至るリスクは想像以上に高いということをご存じでしょうか。巷には「企業の寿命30年説」という言葉があり、確かに創業30年以上の会社もたくさん存在しますが、実際はそれらの何十倍を超える会社が廃業に追い込まれているのです。そもそも企業は何年間存続できるものなのか。潰れる会社・潰れない会社の違いとは何か。税理士の筆者が解説します。
潰れる会社、潰れない会社の差は「資金力」
赤字で負債が多くても潰れない会社はある。黒字で負債が少なくても潰れる会社は潰れる。
では、なにが明暗を分けるのか。潰れる会社は、赤字を乗り切る現金がないから潰れる。運転資金が尽きてしまっている。
負債についても同じことがいえる。有利子負債(利息を付けて返済しなければならない借金)の利息を払う現金が尽きた会社は潰れてしまう。
つまり、潰れる原因は資金不足。会社は、赤字で潰れるのではなく、負債で潰れるのでもなく、手持ちのお金がなくなった時に潰れてしまう。
そもそも、負債で潰れるのだとしたら、住宅ローンを組んでいる会社員はみんな破産することになる。年収の何倍ものお金を借り入れているわけだからね。
個人の家計は、教育費がかさんだり旅行したりして一時的に赤字になることもある。でも、破産しない。なぜかというと、日々の給料や貯金できちんとローンを返済できているから。
収入や貯金があり、返済できていれば破産しない。返済が滞った時に破産する。
会社も同じ。赤字でも負債がたくさんあっても、負債の返済ができれば潰れない。赤字になると返済が苦しくなるけど、貯蓄があれば返済できるし、新たにお金を借り入れることもできる。
菅原 由一
SMGグループ CEO
SMG菅原経営株式会社 代表取締役
SMG税理士事務所 代表税理士
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SMG税理士事務所 代表税理士
菅原由一(税理士・資金繰りコンサルタント)
SMGグループCEO/ SMG菅原経営株式会社 代表取締役/ 株式会社スガワラくん 取締役/SMG税理士事務所 代表 一家に一台AED推進委員会 会長
1975年、三重県生まれ。お客様の85%を黒字に導く節税と資金繰りの専門家。
元国税調査官の師匠からの学びにより、圧倒的に税務調査に強い税理士として知られ、税務調査立会い依頼が後を絶たない。
顧問先の黒字企業割合は90%以上を実現し、全国平均約30%を圧倒的に凌ぐ。
2022年12月に開設したYouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』はチャンネル開設から2年で登録者数90万人を突破。ブログ 『脱!税理士 菅原のお金を増やす経営術!』は全国税理士ブログランキング第1位を獲得し、アメブロ【公式】トップブロガーに選任。
講演実績はGoogle、アパホテル、リコージャパン、ロバートキヨサキなど上場企業、外資系企業も含め1,000回を超え、各メディアからの取材も多数受ける。
書籍『究極の資金繰り』『激レア資金繰りテクニック50』(共に幻冬舎)は、累計3.7万部のベストセラーとなる。
2024年2月22日に『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』を発売。刊行から9か月で累計発行部数10万部を突破。
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