(※写真はイメージです/PIXTA)

良い事業計画書とはどんなものでしょうか。見やすいことはもちろんですが内容に説得力を持たせることを忘れてはいけません。説得力を持たせるために必要な要素と発想方法をポイント別に解説します。※本連載は、井口嘉則氏の著書『事業計画書の作り方100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

事業計画書作りのパート別のポイント

事業計画書作りは、ご紹介したようなフォーマットに埋めていけば、一定程度のものはできますが、良い事業計画書、人を説得・納得させられるような事業計画書とするためには、それなりの要件があります。ここから各パートごとに見ていきましょう。

 

(1)ビジョン設定パート

このパートは、事業計画の目的や目標を示すパートなので、組織や事業責任者の熱い想いや高い志、一定程度以上の高い目標が必要になります。

 

既存事業の場合は、過去の延長線上よりも一段ないし二段高い目標が求められます。新規事業の場合で、社内に提案する場合は、社内で求められる基準以上の目標である必要があります。一方、社外や投資家に提

 

案する場合は、その新規事業の魅力度が伝わるような高い目標が必要となります。また、個人事業として行う場合は、事業主の人が満足できるような目標レベルを設定します。

 

(2)ビジネス環境分析パート

このパートは、外部・内部のことを分析するパートなので、一定程度のデータや事実及びそれに基づく分析が必要です。外部のことについては、現状についてだけではなく、これからどうなりそうかということについても、その兆候やサインも含めながら、自分たちなりの読みや見通しを示します。

 

内部のことについては、いろいろと問題や不満もあるかもしれませんが、なるべく客観的な形で強みや弱みが把握できているといいと思います。

 

(3)戦略策定パート

このパートでは、ビジョン設定パートとビジネス環境分析パートのギャップを定性・定量両面で把握し、そのギャップを埋められるような戦略=作戦を示す必要があります。その作戦は、当然ながら環境変化に適合したものでなければならないですし、自社能力とも合ったものである必要があります。

 

戦略立案に当たっては、事業が複数ある場合は、事業別に戦略を立ててからそれを束ねる方法と、まず組織全体の戦略=基本戦略を立ててから、個別の事業に降していく方法とがありますが、後者の方が全社的・事業部横断的な戦略立案ができて、いいものとなりやすいです。

 

(4)活動・計数計画具体化パート

このパートは、戦略を具体的な業務として実行できるように、期間別の活動計画や計数計画に具体化していきます。事業計画は具体化が重要となります。

 

[図表2]

 

ポイント
事業計画書は、各パートで要件が異なる

 

 

井口 嘉則 

 

 

事業計画書の作り方100の法則

事業計画書の作り方100の法則

井口 嘉則

日本能率協会マネジメントセンター

経営環境が激変する最悪シナリオを乗り切る「事業計画書」の立て方・作り方とは? 「ビジョン・戦略立案フレームワーク」で何を/どの段階で行うかがわかる“これからの”実践教科書。 コロナ禍にあっても、事業計画の立…

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