2―ワクチン接種意向
1.半数が「しばらく様子を見てから接種したい」
新型コロナウイルスのワクチンの接種意向をみると、全体の1.4%(28人)が既に接種していた。24.1%が「すぐにでも実施したい」、51.2%が「しばらく様子を見てから接種したい」、15.9%が「あまり接種したくない」、7.5%が「絶対に接種したくない」と回答した。
ワクチンを絶対に接種したくない人は7.5%に留まるが、およそ半数がしばらく様子を見ることを希望しており、集団免疫獲得の目安とされる60~70%以上がワクチンを接種するためには、「しばらく様子を見てから接種したい」「あまり接種したくない」「絶対に接種したくない」などのすぐには接種を希望していない人に、どの程度多く迅速に接種するかが重要となる。
そこで、以下では、既に接種している28人を除く2,042人を対象に、すぐには接種を希望していない人の特徴とその理由を分析する。
2.すぐには接種を希望しない理由は「安全性への不安」「順番待ち・様子見」「面倒」「ワクチン不要」
「しばらく様子を見てから接種したい」「あまり接種したくない」「絶対に接種したくない」と回答をした人、すなわち、すぐには接種を希望していない人に対して、その理由を複数回答で尋ねた。その結果、もっとも高かったのは「副反応が心配だから」で51.7%だった。次いで「副反応の程度や症状についての情報が少ないから」(44.2%)と、副反応への不安をあげる人が多かった。
理由を因子分析した結果、すぐには接種しない理由は4つの因子に分けられ、それぞれ「安全性への不安」「順番待ち・様子見」「面倒」「ワクチン不要」とした([図表2]参照)。
接種意向別にすぐには接種を希望しない理由を[図表2]に示す。しばらく様子を見てから接種したい人では「まだ日本国内でのワクチン接種が進んでいないから」「まだ医療従事者や、高齢者などの接種が終わっていないから」といった「順番待ち・様子見」に分類される理由が高く、「将来的な安全性が確認できていないと思うから」や「効果が明確ではないから」が低かった。
また、あまり接種したくない人で「副反応が心配だから」「将来的な安全性が確認できていないと思うから」といった「安全性への不安」に分類される理由や「注射が苦手だから」「接種会場での感染リスクがあるから」「2回接種することが面倒だから」といった「面倒」に分類される理由が高く、絶対に接種したくない人で「効果が明確ではないから」「基本的な感染防止対策で十分だと思うから」が高かった。