(※写真はイメージです/PIXTA)

富裕層にとって相続対策は頭の痛い問題です。しかし、多額の資産を抱えて右往左往していると、ときに心無い人たちに囲まれ、大損害を被るリスクもあります。本記事では、相続対策に成功した例とギリギリで損失を免れた例を取り上げます。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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    75歳の元医師、速やかな住み替えで老後不安を軽減

    人生100年時代、新しい生き方を模索しながら長寿を迎える人たちが増えています。年齢を重ねることを恐れず、家族のあり方、生き方、資産の持ち方などに前向きな選択をされる方が増えてきました。筆者のもとを訪れた、ある相談者の方のケースをご紹介します。

     

     

    ●現金が少なく分割しにくい資産構成…自宅を売却して「組み換え」を実施

     

    中野さんは元開業医です。自宅1階で内科医院を開業していましたが、75歳になったことを一区切りとし、医院を閉めました。これからの生活を考えるにあたり、長男からの勧めもあって相続対策に取り組みたいとのことでした。

     

    中野さんの資産構成ですが、現金が少なく、大きな比重を占めているのが自宅の土地と建物です。試算の結果、このままでは老後資金が不足するうえ、相続税も2000万円ほどかかることが判明しました。

     

    中野さんの家族は、中野さんと妻、長男・長女です。現状では相続の際に遺産分割しにくいため、その回避策として自宅を売却して住み替えるほか、収益不動産の購入といったプランを提案したところ、中野さんもほかのご家族も納得・賛同してくれました。

     

    家族の賛成を受け、中野さんは早々にプランの実行を決断しました。その結果、希望価格での売却が叶い、売却代金の3分の1の資金でケア付きの高齢者賃貸住宅に住み替えできました。また、いずれは子どもたちに相続させる予定の収益不動産も購入したうえ、さらにいくつか手堅く運用できる投資信託も組み合わせ、バランスのよい資産構成となりました。

     

    中野さんのように、ご自身が元気なうちに決断をすれば、希望を叶えた相続対策の実現の可能性が高くなります。実際に家賃収入や株の運用益も得られ、今後の収入面の不安も解消できました。

     

    対策を進めるには、資産の現状や家族の状況を確認し、感情面、経済面に配慮した「相続プラン」を作って取り組むことが必要です。なにより肝心なのは本人の意思です。万一認知症になったり、後見人がついたりすると、どうしても前向きな対策はむずかしくなりますから、機会を逃さないようにしたいものです。

     

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    本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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