(※画像はイメージです/PIXTA)

中高一貫の灘校には中学から入学する「中学組」と高校から入学するの「高校組」がいる。「高校組」の中には、中学受験時に灘にチャレンジしたものの失敗した人が結構いたという。公立中学に通いながら、必死で勉強し、高校受験でリベンジを果たして灘にやってきて、東大現役合格率で「中学組」に勝ったという。その理由とは…。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

灘校の「高校組」が「中学組」に勝てる理由とは

そして、一番の差は、本人がどれだけ意欲を持って勉強をするかどうか、です。

 

中高一貫校である灘では、私のように中学から6年間を過ごす「中学組」のほかに、高校から新たに入学してくる「高校組」がいました。

 

「高校組」の中には、中学受験時に灘にチャレンジしたものの失敗した人が結構いました。彼らは、公立中学に通いながら、必死で勉強し、高校受験でリベンジを果たして灘にやってきていました。

 

高校2年生になると彼らと合流するのですが(「中学組」はかなりの先取り学習をしているので、「高校組」は1年間、別のカリキュラムで勉強するのです)、「高校組」の人たちが成績上位者に名を連ねているのを見て驚きました。

 

中学受験時には中学組よりも学力で劣っていたはずの彼らが、たった3年のうちに学力を強化して立場を逆転したのです。

 

中学組が「これはうかうかしていられない」と気を引き締め、必死になって勉強を始めたのは言うまでもありません。

 

灘では、このように中学組と高校組がお互いに競いながらライバル心をむき出しにしてもに勉強に励む雰囲気がありました。

 

ちなみに、高校進学時、私の学年では「中学組」が約170人、「高校組」が約60人いました。最終的に現役で東大に合格した人を比較すると、「中学組」が約60人(約35%)、「高校組」が約35人(約60%)。高校組に軍配が上がったということです。

 

この「高校組」の逆転劇を目の当たりにして、私はひとつの教訓を得ました。

 

「頭がいい」「勉強ができる」などといっても生まれつきの才能で決まるわけではなく、勉強をするかしないかの違いが一番大きいということでしかありません。

 

また、いくら勉強しても成果が上がらないというのは、才能や素質が欠けているからではなく、「勉強のやり方」を間違えているだけです。

 

「正しいやり方」で勉強を続けていけば、確実に実力は上がりますし、その延長線上に東大合格を見据えることも可能なのです。

 

 

和田 秀樹

和田秀樹こころと体のクリニック 院長 

 

 

公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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