優秀な生徒の数学のノートを写すだけで成績が上昇
■解法パターンを暗記すれば、成績は確実に上がる
私が数学の勉強法として「暗記数学」を提唱している。
まず、私が暗記数学を「発見」した経緯から少し説明してみたいと思います。私は、小学生のころソロバン教室に通っていたこともあり、もともと計算が得意で、小学校時代から算数は得意科目にしていました。
しかし、灘中に合格して気がゆるんでしまい、勉強の手を抜いてしまったため、成績はみるみる急降下。
あれだけ得意だったはずの数学が、すっかり苦手科目に変わってしまいました。
もともと得意だっただけに、精神的なショックには計り知れないものがありました。
悩んでいるうちにも、灘では先取り学習を行いますから、私とクラスメイトとの間には、どんどん実力差がついていきます。
いつの間にか、自他共に認める落ちこぼれの仲間入りをしていました。
高1になると、授業で大学入試レベルの演習問題に取り組むようになりました。
宿題で出された問題を、指名された生徒が黒板を使って解いていきます。私には難しい問題を解く力がなく、宿題をやってきた優等生の生徒のノートを借りてその場をしのいでいました。
中間テストや期末テストでは、授業でやった演習と似たような問題が出題されましたが、まともに解こうとすると、1題20分はかかります。
50分の試験時間で10題出題されるのですから、とても対応できません。私は試験中に頭を抱えるばかりでした。
あるとき、同級生のひとりが優秀な生徒の数学のノートを編集したものをコピーして同級生に売り始めました。
なかなか商才があるな、というくらいに考えていたのですが、しばらくしてコピーを売っていた同級生の数学の成績が飛躍的に伸びました。これには非常に驚きました。彼は、もともと数学が得意ではありませんでした。
優等生のノートを書き写して、わかりやすく見せるための編集をしているうちに、解法を身につけたのだろうと思われました。
そこで私も同級生からコピーを買うことにし、そこに載っている解法をひたすら覚えることに注力しました。