受験勉強の「やり方」で「東大合格」は可能である
■「東大に合格できるかどうかは才能」は完全にウソ!
私が「暗記数学」などの勉強法を提唱し、「東大受験に対応する力がつく」などというと、「それはもともと頭のいい人の話だ」と反論を受けることがよくあります。
要するに、私の勉強法は、頭のいい人には通用するかもしれないけれど、中堅校に通う普通の生徒には真似できない、という主張です。
そういった主張の根底には「人が勉強できるかどうかは、先天的な才能や素質によるところが大きい」という考え方があります。
しかし、私の経験からいうと、生まれつきの才能や素質と、受験勉強で「やり方」を身につけて実力を伸ばすこととは、別物です。
仮に東大に合格する学力が才能によるものだったとしたら、確率論的にいって、東大合格者が全国からまんべんなく出てしかるべきです。
たとえば、山形県の人口は約109万人、秋田県の人口は約88万人と、ほとんど同じくらいですが、かつて山形県の東大合格者数は、秋田県の2~3倍も多い時期がありました。
これは才能がある人が山形に偏っていたということなのでしょうか。
現在では、両県の東大合格者数は拮抗しています。2018年でいうと、高校3年生1000人あたり秋田県11.8人、山形県9.4人という結果が出ています。
秋田県は、文部科学省が実施する「全国学力・学習状況調査」で全国トップクラスの成績を誇っているにもかかわらず、東大合格者数が伸び悩んでいる状況が県議会でも問題とされ、10年ほど前から予備校の講師に応援に来てもらうなど、大学受験対策に着手しました。その結果、東大合格者数を増やす結果に結びついたのです。
こういった事例を見ても、東大に合格できるかどうかは生まれつきの才能で決まっているわけではなく、学校や家庭などの環境にも大きく左右されることがわかります。