(※画像はイメージです/PIXTA)

東大合格はテクニックしだい。子どもを東大に合格させたいと考える親が犯す間違いのほとんどが、根性主義への傾倒だという。根性主義一辺倒の親は、子どもに苦手科目があったとき、それを克服するように強要します。苦手科目の克服を強要されると、9割の子どもはその科目を嫌いになりますし、結果的にますます苦手になります。どうすればいいのか。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

学校で勉強するのは、無駄なのか?

■教科に特化した先生には、どんどん質問せよ

 

「もう学校のテストは赤点スレスレでいいよ」

 

本気で東大受験を目指したいという人に対して、私はこのようにアドバイスすることがあります。つまり、最低限、進級に必要な点数をクリアして、あとは東大受験に特化した勉強に集中すべきということです。

 

しかし、なぜか多くの生徒が受験勉強よりも学校からの課題を優先します。必死になって学校の宿題をこなしているうちに、がんばれば受かったかもしれない東大へのチャレンジすらあきらめてしまうのです。非常にもったいない限りです。

 

現実問題として、高3になったら学校の授業をまともに受けている場合ではありません。高2までは基礎学力を身につけるために、学校の授業もそれなりに有効ですが、高3からは本格的に東大受験(東大以外を受ける、たとえば医学部の場合なら、その志望校対策)の準備に取りかかる必要があります。

 

東大を含めて、受験勉強はその志望校で出題される問題を解けるようにするための勉強を意味します。しかし、学校の授業は、教科書に沿って行うものであり、しかも予備校の先生ほどわかりやすく解説してくれるわけではありません。

 

その意味では、灘高でさえ、東大に特化した授業をしてくれませんでしたし、そんな高校、日本のどこを探しても存在しないのです。はっきり言えば、学校の授業は東大対策、志望校対策にはつながらないということです。やはり、学校に頼らず、何らかの手段で東大の受験勉強に取り組む必要があるでしょう。

 

私は「東大に合格する人は賢い」という言葉を、ただ学力に優れているという意味でとらえていません。東大に合格する人は、目的を達成する方法を選ぶことができて、それを実行する力を持っているから賢い、と考えています。

 

たとえば、仕事のマニュアルに熟知し、すべてマニュアル通りに仕事をする人、同僚や後輩がやるべき仕事まで自分でやってしまう人を「できる人」とは呼ばないでしょう。

 

本当にできる人は、「業績を上げる」「プロジェクトを成功させる」という目標を達成するために何をすべきかを理解し、後輩や同僚にまわせる仕事はまわしながら、本当にやるべき仕事を進めていきます。

 

これは受験勉強をするときも、まったく同じです。

 

東大の受験対策勉強と学校から課された宿題。東大に合格したいなら、どちらを優先させるべきかは、火を見るよりも明らかです。

 

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公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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