(※画像はイメージです/PIXTA)

親御さんは、お子さんの可能性や選択肢を少しでも増やしてあげたいと願っています。しかし一方で、お子さんは親御さんが学んでほしいと思うことに関心を示さないなど、双方の思いはなかなか一致しません。どんな対応をすればいいのでしょうか?※本連載は、幼児教室ひまわり塾長、熊野貴文氏の著書『子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと』(啓文社書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

「好きなこと」をさせながら、勉強にも生かす方法

よく子どもには、好きなことをさせるべきだといいます。

 

子どもは興味を持ったことを、とことん突き詰めていきます。親御さんはそれをどんどんサポートしてあげるべきです。

 

しかし一方で、お子さんが興味を持ったことが、親御さんの望んでないことだったりすることもあります。そんな場合、どうすればよいのでしょう。

 

例えばお子さんが、昆虫にものすごく興味がある。そして、将来は昆虫学者になりたいと思っているとしましょう。

 

本記事を読まれている方の多くは、お子さんを医者にしたいと考えている方だと思います。しかしお子さんが大好きなのは昆虫。親御さんとしては、昆虫学者になりたいと言われても、なかなか食べていくのは難しいように思える。

 

あるいはお子さんがなにかの任侠(にんきょう)ドラマをテレビなどで見て憧れ、「こうなりたい!」と言い出すこともあるかもしれません。親御さんとしては当然そうなってほしくないわけです。

 

こんなふうにお子さんが、親御さんが好ましいと思わないことに対して興味を持ち、そこを突き詰めていこうとした場合、親御さんはそれに対しどのようにしていけばいいのでしょうか。

 

まずひとつ言えるのは、お子さんが好きなことと、親御さんがやらせたいことが一致しているということはまずあり得ないということです。これを理解する必要があります。

 

ですから親御さんが望んでいない遊びをしていたとしても、親御さんはそれにしっかり付き合うことが大切です。

 

お子さんは親御さんとの遊びの時間が楽しければ楽しいほど、親御さんの望むことにも付き合ってくれるようになります。

 

お子さんの好きなことを我慢させて、「お母さんとこれをしましょうね」と無理やりやらせても嫌がるだけです。もし言われるがままにやっていても、頭のなかは別のところに飛んでいて、実はまったく身につかない状態のはずです。

 

例えば親御さんが数を教えたい、数のゲーム遊びをさせたいと思っても、ミニカーばかりに興味を持って遊んでいる。そこで、無理やり数のゲームをやらせても上の空。そんなケースが多いでしょう。

 

筆者はこういうときには、精いっぱいミニカー遊びを一緒に楽しむことが正解だと思います。そのなかで、数の話を自然に入れていくのです。

 

例えば青い車がスーパーの駐車場に入ってきたとします。「青い車が2台入ってきたね。そこにお母さんの赤い車が1台入りました~。合わせたら何台になったかな?」と一緒に車の数を数えます。

 

「お母さん、お洋服買いたいんだけども、このスーパーにはないから出ます」

 

「1台出ましたー」

 

「3台あったけど、1台出たから何台になった?」

 

こうするとお子さんはもう、「1、2……」と一生懸命数えます。遊びのなかで楽しみながらも、「2+1=3」「3−1=2」と集中して計算しています。

 

このようにお子さんが好きな遊びのなかで、親御さんが教えたい、親御さんが望んでいる、やりたいことに取り込んでいけばいいのです。

 

お子さんの好きなことと、親御さんが望んでいることが一致すれば、お子さんも楽しいし、親御さんもイライラしないで済むことになります。

 

こうしたことの積み重ねでお子さんは自然と数やひらがな、カタカナに触れて、次第に理解していきます。そして、わかると楽しいからもっと学ぼうとするという好循環が始まります。

子どもの「やりたい」と、勉強をセットにする

先ほど、昆虫に興味を持ったお子さんのことを例にしました。

 

実は筆者が経営する幼児教室の講師をされている先生のご家庭がまさにそうでした。

 

お母さん方で虫が得意という方はなかなかいないと思うのですが、先生もその例にもれず虫が大嫌いでした。しかし、お子さんは孵化(ふか)したカブトムシを「かわいい!」と当たり前のように触っている。家の中は虫かごだらけ。家の外と家の中、玄関も虫かごでいっぱいでした。

 

しかし先生は、それを止めることはせず、好きなようにさせていました。

 

すると、お子さんは自分でどんどん興味の幅を広げていきます。

 

初めは目の前にある昆虫だけに興味を持っていたのが、次第に「この昆虫はなにを食べるんだろう?」「どういうふうに育てるんだろう?」と興味を持つようになります。

 

お子さんの疑問に対して「お母さんも知らない」と言ったら、お子さんが自分で図鑑を一生懸命調べて、夜中に起きて、ゼリーの入っているケースに昆虫を入れ替えてみたり、自分でいろんなことを考えて行動するようになったといいます。

 

好きなことに興味を持ち、それを深めていくことによって、他のことにも興味を持って、自分自身で関心を持つ対象を広げていくのです。

 

昆虫を見ていたとしても、それをきっかけに昆虫のことが書かれた本を自分から読み出すかもしれませんし、そこから「食べる」ということについて、興味を持つかもしれません。昆虫のおかげで本を読む、調べるという習慣が身につくかもしれません。親御さんがちょっと余裕を持って見てあげることで、徐々に変わってくるのです。

 

本当にお子さんがやりたいことをある程度残してあげながら、勉強をセットにする。あるいは興味が広がっていくのを待つ。これが大事なことだと思います。

 

 

熊野 貴文

幼児教室ひまわり塾長

 

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子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと

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幼児教室ひまわり:熊野 貴文

啓文社書房

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