(※画像はイメージです/PIXTA)

お子さんを医師にするには、本人が医師という仕事に関心を持ち、チャレンジできる学力があることが前提です。お子さんに関心を抱かせ、学力を伸ばすにはどんな方法があるのか、幼児教室ひまわりの講師たちの実例から見ていきましょう。※本連載は、幼児教室ひまわり塾長、熊野貴文氏の著書『子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと』(啓文社書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

勉強を習慣化する動機づけに「お祝い」を活用!

幼児教室ひまわりの講師、上田尚子先生は、学校の宿題、母親からの課題、そして遊びをセットにしてお子さんたちの勉強を習慣化していたそうです。

 

学校から帰ってきたら学校の宿題と、お母さんからの課題を行うと決めました。上田先生が1週間分の課題を決めて、とにかく学校から帰ってきて宿題と課題を終わらせる。そして、そのあとは自由に遊べる。これを生活のリズムにしました。

 

母親が作る課題で大切なのは、量だと上田先生は言います。これがすごく大事で、多すぎると子どもは嫌になってしまう。さっさと終えられて、あとまだちょっとできるなというくらいの量にしていくことがコツとのこと。なので、だいたい15分くらいで終わるような量を目安としていたそうです。

 

そうすることで、必ずできるし、毎日やっても苦になりません。そして様子を見ながら
少しずつ量を増やしていく。最初は少なめから行って、徐々に量を増やしていくわけです。

 

さらに毎日の課題は表にして、その日になにをするのかも決めておきます。そして、それをチェックすることを日常の習慣にしたと上田先生は言います。

 

課題としてやらせていたのは主に問題集。算数と国語が中心で、算数だったら1日に百マス計算1ページといった具合です。できるようになってきたら、徐々にレベルを上げ、ページ数を増やしていきます。

 

毎日やる部分にフセンを貼り、机の左側に置いておく。終わったら机の右側へ移動する。これで終了です。お子さんは目の前に今日やる量が見えていると、どんどん左から右へ消化させていくので、終わったということもわかりやすい。こうしたちょっとした工夫で、お子さんの習慣化を助けていくのです。

 

お子さんの勉強を習慣化するための動機づけをする方法として、上田先生は、勉強への習慣をお祝いのきっかけにしたそうです。お子さんの毎日の勉強を表にして、きちんとやった日には○をつけていきました。そして〇が目標までたまったら、家族全員でお祝いし、おいしいものを食べるようにしたのです。そして食べるときに「〇〇ちゃんのおかげで、みんなでおいしいものが食べられる!」と本人に感謝をしました。

 

お子さんは感謝されるのがうれしくて、また毎日勉強をがんばる。こうした前向きの、みんながハッピーになるような動機づけも、とても有効だと思います。

医師を目指すという行程は「生きる力」の育成になる

筆者の教室は、わが子をお医者さんにすることをゴールにしています。

 

ただ、このお医者さんを目指すという夢に向かっていく行程は、お子さんの生きる力そのものを育てていくことにもなると考えています。

 

もしお子さんがお医者さんにならなかったとしても、社会でこんなふうに活躍したいとか、世界をまたにかけて自分の仕事をしたいといった夢を、お子さん自身がきちんと追いかけることができる力を身につけることにつながっていきます。

 

ただ、あくまでも第一の目的はわが子をお医者さんにすることです。

 

では、お子さんが自分でお医者さんになりたいと思うようになるためには、どうすればよいのでしょうか?

 

幼児教室ひまわりの講師、藤井先生の娘さんは、現在お医者さんをされています。

 

藤井先生はお子さんが自分でお医者さんになりたいと思うようになるために、お医者さんという仕事に通じる具体的なきっかけを作ってあげた、と言います。

 

そこで、医療モノのドラマを観せたり、ということは多くの親御さんが思いつくことです。藤井先生の場合、もう一歩進んで、お医者さんという仕事はどのようなものなのかをお子さんに見せる機会を作りました。

 

お子さんが風邪などをひいたとき、病院に一緒に出かけます。

 

そのとき、ドクターとコミュニケーションをとって仲よくなる。するとドクターもお子さんに話しかけてくれたり、撮影したお子さんの検査画像を詳しく見せたりして、お子さんにお医者さんの仕事の一端を見せてくれるようになります。

 

そうすることで、お子さんのお医者さんに対する興味の持ち方が、まったく変わったと言います。

 

そして、風邪とはどんな病気なのか。人間はなぜ病気になるのか。それを治す仕事はどのようなものなのか。単にドラマだけでなく、実際に目の前で話しかけてくれたドクターの知識や頼りになる姿を見て、興味をどんどん広げていったと言います。

 

実際、一言でお医者さんといいますが、お医者さんの仕事はとても幅が広いものです。

 

そのなかのひとつからでも興味を広げてくれれば、お医者さんになりたいという気持ちはどんどん育っていくと筆者も考えます。

 

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子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと

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