(※画像はイメージです/PIXTA)

勉強をさせようと「あなたのために言ってるのよ」と叱っても、子どもには通じません。医師であり、現在は保護者向けの幼児教室を経営している著者が解説します。※本連載は、幼児教室ひまわり塾長、熊野貴文氏の著書『子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと』(啓文社書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

「私のために怒ってくれてるんだね」とはならない

小さなころは遊びも勉強です。そして遊びの延長線上に、勉強があります。

 

例えば落書きをしているうちにきれいな線が描けるようになります。ぜんぜん線が描けない、丸が描けない状態から始まって、落書きを繰り返すことできれいな丸が描けるようになり、縦線、横線も描けるようになります。つまり遊びである落書きも、勉強につながっているのです。

 

なぜ子どもは勉強しなくてはならないか、これも同じことです。

 

例えば、よい点をとるためとか、将来、生活に困らないような仕事に就くためとか、学歴社会だから、などと言っても、子どもにはわかりません。

 

よく皆さんは「あなたのために言ってるのよ」「あなたのためなのよ!」とお子さんに言うと思います。親御さんは、お子さんが将来なにかになりたいと思ったときに、それを目指せる力をつけておいてあげたい。そんな気持ちで「あなたのため」と言っています。しかしこれは、お子さんにとってはぜんぜん理解できないことです。「お母さん、そのとおり! 私のために怒ってくれてるんだね」などと思ってくれることはまずありません。

 

たぶん逆に「自分のためというのだったら僕は遊ぶ。将来のことなんてぜんぜん気にならないから、いまは遊んで楽しみたい。好きにさせて!」といった言葉が返ってくるかもしれません。

 

「将来のため」といったことをお子さんに理解させ、勉強の動機づけにするのはやめましょう。それより大切なのは、まず机に向かう習慣づけを行うことです。

 

理屈で勉強させるのではなく、まず勉強するために机に向かう習慣を作ってあげる。小さいころから、たとえ10分でも15分でもよいから、集中する時間を作ってあげる。

 

それによって、お子さんは自然と机に向かうのが苦ではなくなります。

 

小さいときにこうした机に向かう習慣づけを実践し、小学生になって、さらに勉強する習慣づけをしていくと、お子さんは自然に予習をするようになります。予習をすれば、その問題は学校に行ってパッとできる。そして、「私はできる!」と自分に自信を持つようになります。

 

そうすればもっとやろうかな、という気持ちになります。やればやるほどできる。そのいい循環ができてくるわけです。

 

そういうときにこそ「がんばってる、すごいね」とほめてあげます。勉強すれば、できるようになってうれしい。その気持ちを親御さんの言葉でさらに増幅してあげるのです。

 

ですから「勉強すべきなんだよ!」「こういう理由で勉強しなきゃいけないんだよ」ということをわざわざ言葉で伝える必要はありません。

 

習慣をつけることで自信を持ったお子さんは、やる気が出て(個人差はありますが)自ら勉強するようになっていきます。

 

そして、やる気は成功体験でさらに育っていきます。例えば友だちに勉強を教えてあげるなど、学んだことを人に教えることができる力を持つことももちろん自信につながります。

 

ですから小さいころから机に向かう習慣づけを、少しずつでもしておいてあげる。これがすべての始まりだと思います。

 

 

熊野 貴文

幼児教室ひまわり塾長

 

子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと

子どもを医者にした親たちが幼少期にしていたこと

幼児教室ひまわり:熊野 貴文

啓文社書房

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