(※写真はイメージです/PIXTA)

一戸建てよりもマンションを選ぶシニア層が増えています。築年数の経過したマンションほど70歳以上の割合が高くなりますが、災害時の安否確認等や孤独死発見の遅れなど、管理組合は苦慮しているのが現状です。年金への不安から、賃貸戸数の増加も生んでいます。お金をかけない地域コミュニティ形成や、マンションを取り巻く現況について見ていきましょう。※本連載は、松本洋氏の著書『マンションの老いるショック!』(日本橋出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

年金への不安から古いマンションの「賃貸戸数」が増加

分譲マンションの賃貸住戸のあるマンションの割合は74.7%(前回調査より+3.1%)となったことが発表されました。築年数が経過した古いマンションほど賃貸住戸のあるマンションの割合が高くなる傾向が見られることが報告されています(図表3,4)。

 

出典:国土交通省
[図表3]マンション居住の状況 出典:国土交通省

 

 

出典:国土交通省
[図表4]マンションの賃貸化の状況 出典:国土交通省

 

築年数が経過した古い分譲マンションで賃貸戸数が高くなっている背景としては、年金の問題があるといわれています。

 

昨今、年金機構の不祥事などが相次いで発生して、年金制度が破綻して年金が将来もらえない、もらえてもほんの少しで生活ができないとテレビのワイドショー、新聞、週刊誌等が報道して不安をあおっています。

 

少子高齢化で年金を支払う人より年金をもらう人の方が多いので年金制度は破綻するに決まっていると専門家を名乗る方が伝えている光景をよく耳にします。

 

従来は、マンションを買い替える場合には、現在住んでいるマンションを売って買い替えるのが一般的でした。

 

ところが、年金が出ないかもしれない、出ても少なくて生活できないかもしれないという不安から、現在住んでいるマンションは売却しないでとりあえず賃貸に出して事業用の資産としてその家賃収入で不足する年金を補填して、新しく購入するマンションに自分たちが住むというようなマンション買い替えのスタイルが変化したからだといわれています。

 

 

松本 洋

松本マンション管理士事務所 代表

 

 

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

マンションの老いるショック!データから学ぶ管理組合運営

松本 洋

日本橋出版

分譲マンションは現在、「区分所有者の老い」「建物設備の老い」という二つの老いの問題を抱えています。 本書では、国土交通省から公表されているデータや、筆者のマンション管理士としての経験から得た知識を基に「マンシ…

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