大浴場は常に満員…「安いリゾートマンション」の現実
バブルの時代には3000万円~7000万円で取引されていたリゾートマンションが今は無残にも数十万円から数万円くらいの金額で売りに出されているケースがあります。
東京都内だったら5000万円~7000万円くらいするマンションが、10万円から20万円で所有することができるので無責任なテレビ番組等ではバブル時代にモーレツ社員として頑張った団塊の世代にとって、現役時代には叶わなかった「リゾート生活を満喫したい」という夢が格安で実現できるとレポーターが盛り上げてお役立ち情報として紹介しています。
なぜこんなに価格が安いのか、本当にお買い得の物件なのかそれとも訳あり物件なのか。
マンションの所有者は、誰でも自分の財産のマンションを少しでも高く売りたいとも思うはずです。ところが何らかの事情で、安くしか売れない場合もあるでしょう。
それが買主にとって問題にならない要因ならば、お買い得物件にもなるはずです。
最近の傾向として、10万円から20万円でマンションを所有することができるので、賃貸マンションやアパートを借りるより経済的でもあり、地元のサラリーマンやキャリアウーマン、学生がリゾートの目的ではなく住戸用として安いリゾートマンションを購入するケースが増えています。
そのような、リゾートマンションを住戸として利用する居住者が増えたことで色々な問題がでてきています。
共用施設として温泉付き大浴場のあるリゾートマンションでは、住戸として利用している居住者が毎日大浴場を利用するため常時満員で、たまに都会から保養に来る区分所有者が大浴場を利用できない状況も珍しくありません。
共用施設として温泉付き大浴場は水道料、ガス使用料は管理組合の負担で清掃も管理会社が行うので住戸として利用している居住者にはメリットが多くあります。
リゾートマンションの各部屋(専有部分)にも浴室・浴槽はありますが共用の大浴場が利用できることから専有部分の浴室は物置や倉庫として利用されている住戸が多く浴室としての利用は少ないといわれています。
先日、ある温泉付き大浴場のあるリゾートマンションを住戸として使用している区分所有者の方から、遠方から保養のために来館した組合員が共用施設の浴場が満員で利用できないとの苦情が多くなり大浴場の使用がポイント制になり毎月10回だけしか大浴場を利用できないように規約が改正されました。その規約改正は妥当でしょうか。というご相談を受けました。
このように、温泉付き大浴場も満足に利用ができず、既にリゾートマンションとしての役割も果たせなくなっているマンションもあります。
リゾートマンションは、管理費や修繕積立金の滞納者が多かったり、修繕積立金が不足していて、大規模修繕工事を行うことができなかったり、大規模修繕工事の際に多額の一時金を徴収される場合があります。
安いからといって、すぐには飛びつかず、まずは長期修繕計画書を確認することや、管理費等の滞納者がどのくらいいるのか、修繕積立金は不足していないか等、物件調査してから慎重に購入することが大切です。