勝ち筋を見つけるための「キャリアのかけ算」
私自身、高校生のときは水泳部だったのですが、当時はたまたま平泳ぎをやっている人がいなかったので、種目を決める際に、平泳ぎを選択したことで、大会ではいつもレギュラーとして試合に出ることができました。自由形の補欠で見学するよりも、平泳ぎで試合に出るほうが、良い経験になると思ったからです。
このように、凡人がキャリアを考える際には、「ちょうどいい狭さ」のフィールドに立つことを意識してみてください。例えば、弁護士は難関国家資格ですが、それでも毎年の司法試験では1500人以上の合格者が出ていて、日本国内だけでも4万人以上の資格取得者がいます。
その4万人の弁護士業界のなかで成功しようと思えば、ただ資格があるだけではなかなか難しいでしょう。そこで、幅広く弁護士の中で一番を目指すのではなく、何かの専門弁護士としてフィールドを狭めてみましょう。
例えば、離婚専門弁護士、不動産専門弁護士、海外ビジネス専門弁護士など、フィールドを狭くすればするほど、競争相手が少なくなって、勝ち筋が見えてきます。私はこれを「キャリアのかけ算」と呼んでいます。
自身の離婚経験を活かして「離婚×弁護士」で離婚弁護士として活躍する道もあれば、趣味の格闘技を活かして「格闘家×弁護士」としてメディアで売り出す方法もあります。前職が不動産業界であれば「不動産×弁護士」でもいいですし、海外でのビジネス経験を活かした「海外ビジネス×弁護士」だと、かなり競争相手が少なくなるでしょう。
かけ算に使うものはなんでもよいのですが、これが「AI×エンジニア」などと母数の大きいもの同士をかけた場合には、なかなかフィールドが狭くなりません。その場合はもう一つかけるものを増やして「AI×エンジニア×美大出身」くらいのエッジを際立たせたほうがいいでしょう。
といっても「AI×エンジニア×暗黒舞踏」みたいになると、そこにニーズがあるのかどうかが分からないくらいニッチなフィールドになってしまうので、ほどほどにしてください。
就職活動での面接の自己アピールであれば「なぜ暗黒舞踏がAIやエンジニアに役立つのか」について、説得力のある話ができればよいのですが、それができないのであれば、できる「かけ算」を探すほうがよいでしょう。
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