介護利用料は1割負担なのに…居住費、食費の実費格差に絶句

ある日突然、老親が緊急搬送で入院という事態が起こります。介護は毎日のことなので、使命感だけでは長続きはしません。10年以上、仕事をしながら父母の遠距離介護を続けてきた在宅介護のエキスパートは、「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せにはならない」と訴えます。入院や介護に備え、知っておきたい制度やお金の話から、役立つ情報、具体的なケア方法までを明らかにします。本連載は渋澤和世著『親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…』(プレジデント社)から抜粋し、再編集したものです。

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介護施設に入ったら、いくらかかる?

施設の費用は、施設利用費+α

 

どの施設も共通してかかる項目は、施設利用費です。要するに入浴や食事を介助してもらっているお世話料みたいなものです。この部分は、介護保険が利用できます。

 

要介護度や施設の分類によって異なりますが、一番高い療養病床のユニット型個室を一番介護度の高い要介護5の人が利用した場合で4万940円(1割負担)です。他はこれよりも安いということです。施設によっては利用者負担割合(1割〜3割)によって大きく費用に差が出ます。

 

実費負担額が個々の施設によって異なるため、月々の費用に大きな差が出るという。(※写真はイメージです/PIXTA)
実費負担額が個々の施設によって異なるため、月々の費用に大きな差が出るという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

+αの実費で費用に大きな差が出る

 

実費負担額が個々の施設によって異なるため、月々の費用に大きな差が出ています。影響力が高いのは居住費です。建物の立地や部屋の環境によって異なります。賃貸住宅を思い浮かべてください。大都会の広いワンルームと郊外のバス、トイレ共同のアパートを比較すれば、金額が大きく異なるのが理解できると思います。それと同じです。

 

続いては食費! 無農薬野菜を取り寄せたシェフの料理とスーパーの広告の食材を使った家庭料理ではどうでしょうか。普段の生活と同じ感覚なので、料金の違いのイメージはつかんでいただけたと思います。

 

●実費負担額の例

① 居住費(家賃)…その部屋に住まわせてもらっている費用
② 食費(食材料費)…食事の提供を受ける費用(おやつ代は含まれない場合もある)
③ 管理費(共益費)…有料老人ホームとグループホームはその地域の住民であるため、町内会費などが発生する場合もある
④ 理美容代…必要に応じて美容院や理髪店の実費(自治体支援もある)
⑤ オムツ代…特養、老健、療養病床は介護保険給付費に含まれるため実費請求なし
 その他の施設では実費負担、現物持参あり
⑥ 日用品費…歯磨き、ティッシュ、衣類、嗜好品、診察代など

 

介護も生活困窮者を救う制度が整っている

 

日本の介護保険制度は身寄りのない人や生活困窮者に手厚くなっています。特別養護老人ホームは比較的低所得者が優先的に入居できますし、食費の軽減措置もあります。

 

一般的にはわかりにくいのですが、グループホームでも生活保護世帯を積極的に受け入れる施設や東京近辺(栃木、茨城など)には低収入世帯を優先的に受け入れている施設もあります。親の収入や資産が心配な場合は、市区町村の介護保険窓口に相談してみてください。世帯収入で入居施設の種類はある程度、決まってくると言っても過言ではありません。

 

有料老人ホームの契約は入居金なしを

 

入居金が数千万円必要なところから、月々の利用料のみの施設もあり千差万別ですが、お薦めは入居金なしでの契約です。緊急時も空室があれば入れますし、入居後、その施設が合わないとなっても退所した際のリスクも少なく、万が一の経営母体の倒産のときでも安心です。

 

先に大きな金額を払ってしまうと100%使われてしまうので戻ってこないと思います。ここは、月々目安として35万円以上が支払える富裕層の方が検討できる施設です。医療、外出、行事に関しては、費用が高い分、それなりに工夫がされています。医療に関しては、緊急時の対応や指定病院、通院の頻度などを十分確かめて、見合った費用であるかも検討してください。

 

(図版)

「在宅介護エキスパート協会」代表

1964 年、静岡市生まれ、川崎市育ち。NEC 関連会社(現職)でフルタイム勤務の中、10 年以上に渡り遠距離・在宅介護を担う。両親の介護をきっかけに社会福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなど福祉に直接的・間接的に関係する資格を取得。その経験や知識を多くの方に役立てていただけるよう「在宅介護エキスパート協会」を設立、代表を務める。
2人の子どもに恵まれるも、両親が同時期に脳血管障害、認知症、骨折、肺炎で入退院を繰り返す。長年にわたり仕事、子育て、介護(遠距離介護4年・在宅介護8年)の「トリプルワーク」を経験。仕事をしながらの育児、介護にストレスが極限にまで達し、介護疲れを起こす。書籍や情報サイトなどを頼るも、「介護の常識」は、仕事や育児との両立をしている人にとっては、全てこなすことなど到底できない理想論であることを痛感する。その後、「自分でもできる介護」を自力で確立することを決意。アイデア発想講師としての知識を生かし、それまでの「完璧な介護」から「自滅せず親も家族も幸せになる介護」へと発想の視点を変え、現代人のための介護思考法を独自に研究する。

著者紹介

連載親の入院、介護ですぐやること、考えること、お金のこと

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

親が倒れたら、まず読む本 入院・介護・認知症…

渋澤 和世

プレジデント社

高齢化が進む日本では現在、介護ストレスによる介護疲れが大きな問題だ。そこで本書では、仕事や育児との両立を前提に、「完璧な介護」ではなく「頑張りすぎない介護」を提案する。 正社員としてフルタイムで働きながら、10年…

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