多くの家庭で、親の「老い」はいずれ直面する問題です。ファイナンシャルプランナー・安田まゆみ氏の『そろそろ親とお金の話をしてください 』(ポプラ新書)より年をとった親がものを捨てられなくなる現象への対処法について解説していきます。

「親子間のトラブル」原因はこの3点

私はこれまで、親子間のお金のトラブルをたくさん見てきましたが、トラブルになりがちな親子には、共通した特徴があります。それは、「子どもが親の状況を把握できていない」ということ。この場合の親の状況とは、「気持ち」「健康」「お金」の3つです。

 

これらのうち、子ども世代が一番見落としがちなのが、親の「気持ち」。でも、「気持ち」を大切にしてあげると、「お金」についてもかなり話しやすくなります。そこで、まずは「気持ち」について、何をどう把握すればいいのか、考えていきましょう。

 

高齢者が、自分の老いについてどう思っているのか、もちろん個人差はあると思いますが、年々、足腰が弱くなり、体力気力ともに落ち、記憶力も衰えていくことに不安や焦りを感じている。そこで子どもができることは、そうした親を安心させることです。

 

頑固だったり、考えが古かったりするのは、情報のアップデートができていないことも考えられます。情報化社会の中にあって、親世代のITリテラシーは子ども世代が考える以上に低いかもしれません。

 

インターネット以外にも、新聞や行政が発行する広報誌など情報源はいくつもありますが、高齢になるとこれらに目を通すのも億劫になりがちです。

 

「頭が固い!」「いまどき、そんなことも知らないの?」などと否定したり非難したりせず、まずは親の話に耳を傾ける。人生の先輩として、親を尊敬する気持ちを忘れないことが大切です。

 

また、親の子どもに対する気持ちも、理解しましょう。親にとっては、いくつになっても子どもは子ども。「元気でやっているか」「暮らしは成り立っているのか」「幸せに暮らしているのか」と、さまざまなことが心配なのです。困っていれば、少しでも役に立ちたいと思っているのです。

 

オレオレ詐欺や悪徳商法に、「まさか」と思うような人が引っかかったり、同じ人が二度三度と被害に遭ってしまう背景には、もちろん犯罪集団の手口がどんどん巧妙になっていることがありますが、子どもを助けたい、役に立ちたいという親心がそうさせてしまう可能性も否めません。

 

そして、多くの親は子どもに遠慮をしています。仕事や子育てに忙しくしている息子や娘の手を煩わせたくない、迷惑をかけたくない。相談したいことがあっても連絡できず、ひとりで悩んでいるかもしれません。

 

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