最善の方法は生前の「遺言書」だけれど…
相続トラブルを避けるには、「相続する財産は何か、相続する人は誰か」を、できる限り詳しく整理して決めておくことが大切です。それらのことがエンディングノートに書かれていたら、あるいは手紙という形で残されていたら、いずれも法的効力はないものの、いざという時に役立ちます。
最善の方法は、被相続人の存命中に遺言書を書いてもらうこと。これに尽きるでしょう。親にエンディングノートを書いてもらうだけでも大変だったのに、遺言書なんてハードルが高すぎる……と思うでしょうか。
たしかに、遺言となると、親の表情が少し険しくなるかもしれません。遺言には、自筆証書遺言(自筆で書く遺言)、公正証書遺言(遺言書を公正証書にしたもの。公証役場で作成する)、秘密証書遺言(公証役場で作成手続きをするが、遺言内容は公証人にも知らされない)の3種類があります。
一般に、遺言書として多く使われているのは、自筆証書遺言でしょう。自筆証書遺言の場合、財産目録を含めて全文を自書する必要があり、預金通帳のコピーを添付するのもNGでした。
しかし、2018年の法改正によって、財産目録はパソコンで作成したものでもよくなり、通帳のコピーもOKとなりました。目録以外の、遺言の本文、日付、氏名は自分で書き、押印する必要がありますが、部分的にでも「自書でなくてもOK」と聞くと、少し気持ちが軽くなるような気がします。
実際に筆者がお受けしている「遺言作成」のご相談では、遺言を書かなくてはいけないとわかってはいるが、どこから手をつけたらよいのかわからないので、今日まで手をつけてこなかった、という方がほとんどなのです。何を決めたらいいか、どう書いたらいいかわからないから、書きたくない気持ちも後押しして、先延ばし。こういう図式です。
もしかしたら、みなさんの親御さんも書きたくないわけではないのかもしれませんね。次のような流れで、一緒に遺言をつくってみてはどうでしょうか。実際に筆者が一緒に遺言をつくるお手伝いをしている時の手順ですので、参考にしてみてください。
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