「年の差婚」も、地元で有名な“おしどり夫婦”のA夫妻
59歳のAさんは、約2年前、20歳年上の夫Bさんを亡くしました。享年77歳でした。Bさんは自ら立ち上げた建設会社をその地域の有力企業にまで育てたやり手の経営者で、年収はピーク時で4,000万円ほどありました。
Aさんは、会社が右肩上がりの時期に受付事務として入社。BさんがAさんにひと目惚れし、猛アプローチののち交際し、結婚にいたったそうです。
交際当初こそ、Bさんからのあまりに積極的な愛情表現に悩んだり、同世代に「20歳も年上の人と付き合って、本当に大丈夫なの?」と心配され気に病んだりしていたAさんでしたが、次第にユーモアに溢れ包容力のある夫に惹かれ、結婚後は地元でも有名なおしどり夫婦に。
子どもが生まれてからは専業主婦となりましたが、夫が現役を退くまで献身的にサポートを行い、会社の成長を見守ってきました。
そのため、Bさんが亡くなったときはひどく憔悴。若いときは、「俺がAより先にいなくなっちゃうと思うからさ、迷惑かけないようにきちんと準備するから」と言ってくれていましたが、晩年は“とある趣味”にハマり、家を空けることもしばしば。
そんな夫の死から2年ほど経ち、ようやく悲しみも和らいできた折、Aさんのもとに税務署から「相続税の調査に伺いたい」と連絡が入りました。
(相続税の申告は期限内に済ませているし、特にたくさん財産があったわけでもないのに、なぜうちなんかに来るんだろう……)
Aさんは疑問に思いましたが、ここで変に渋っても面倒だと考え、素直に受け入れました。
平静を装った税務調査官たちの“黒い思惑”
そして、税務調査当日。2名の調査官はいたって平静を装ってA家を訪ねてきたものの、内心は息巻いていました。
「地域でも有名な経営者なのに、過去の所得税の申告状況から考えると相続財産が少なすぎる! きっとタンス預金が眠っているはずだ。そうでなくても、名義預金か贈与か、絶対になにか隠しているはず……」
しかし、税務調査の結果、Aさんが“とあるブツ”を差し出したところ、調査官は「なんと……すみません、これは税金とれませんね。申し訳ありませんでした」と陳謝。肩を落として帰って行ったのです。
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