親とのコミュニケーション、とれていますか?
「そろそろ」どころか、「いますぐ」親とお金の話をしていただきたい。
でも、どうでしょう。ふだんから密にコミュニケーションがとれていて、信頼関係も築けているならいざしらず、顔を合わせるのは1年に盆暮れの2回ほどという親子では、なかなかむずかしいと思います。
久々に孫の顔を見てメロメロになっているところに、いきなり「いま、貯金はどれくらいあるの?」などと聞いても、唐突すぎて親は何と答えていいかわからずに口をつぐむか、「なんだ、金の無心か!」と激昂しかねません。そうなると親は警戒してしまい、そこからはもうお金の話ができなくなります。
いまの若い世代はそうでもないかもしれませんが、もともと日本人は、お金についてあれこれ話すことを「品がない」として、嫌う傾向にあるようです。その、話題にしづらい問題を切り出し、話をスムーズに進めるためにはまず、信頼関係を築いておくことが大切です。
と言うと、「子どもなのだから、信頼関係を築く必要などはない。もうすでに親から信頼されているはず!」と反論されるかもしれません。でも、それは子どもの身勝手な考えです。
子どもにお金を奪われてしまう、というほどではないにせよ、自分たちのお金のことを開示したら、そのお金に頼ったり甘えたりしてしまうのではないか、という危惧を親たちは持っています。
自分たちの健康状況や老化に伴う心理的な不安、置かれている状況などについて、あれこれ考えていることまでわかっていてくれるなら、親も安心して、ある程度はお金の話をしてもいいと思っています。
でも、それがいまなのかどうかを見定めているのです。子どもたちの暮らしぶりや発言を見たり聞いたりして、お金の話ができる状況にあるかどうかを探っていると思ったほうがよいでしょう。
急がば回れ。むずかしい話をするためには、地ならしが必要なのです。
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