近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開する、株式会社SEEDATA代表取締役社長の宮井弘之氏は、周知の事実や世の中の常識に囚われずに成功するための思考法を説いています。

常識は「正しくない」、直感には「従うな」

まずは、洞察思考を身につけるための心構えについてお話をさせていただきたいと思います。この記事では、なるべく日常に転がっているような話題を通じて、洞察思考というものを皆さんに伝えていきたいと考えています。

 

分かりやすくサマリで洞察思考の定義が出てくるわけではありませんが、私が皆さんにお伝えしたい洞察思考というものがどういったものなのか、分かっていただけるように工夫していきたいと思います。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最初に投げかけたい皆さんへのキーワードは、「直感」です。皆さんは、「直感」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?

 

「直感」に従って動きすばらしい結果を得られた著名人のサクセスストーリーも多く存在し、近年は直感を活かすことをもてはやすような論調もあります。しかし、私は、パッと聞いて「そうだな」とか「いいな」と思う話には思考停止を誘う罠が潜んでいると常々思っています。

 

よく会社の部下からは、直感的に判断しているといわれる私ですが、誰よりも直感的に判断したり、納得したりすることの危険性を知っているつもりです。まずは、直感に従わないということについて、いくつかの例を見ながら、洞察思考に必要な心構えを説いていきたいと思います。

「卵を一つのカゴに盛るな」は間違い

さて、最初は、投資や資産形成の世界で、完全に「常識」とされている言説への挑戦から始めましょう。投資の世界でよくいわれる「卵を一つのカゴに盛るな」という格言です。投資に詳しい方も、詳しくない方も、あらためてこの格言の内容を吟味してみましょう。面白い発見があるはずです。

 

「卵を一つのカゴに盛るな」は、もともとは英語の格言で「Donʼt put all your eggs in one basket」の翻訳です。インターネットの英和辞典weblioでは、次のように説明されています。

 

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【諺】 卵を全部一つのかごに入れるな (危険が起きたときに被害が分散されるよう、逃げ道を用意しておくこと)

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証券会社のパンフレットなどでは、次のように説明されていることが多いです。

 

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一つの投資商品だけに全財産の集中投資を行うとリスクが大きくなるので、複数の商品に分散投資を行ったほうが良いとの教え。

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これを読んで「なるほど、確かにそのとおりだな」と思った人は、心のなかで手を挙げてください。

 

恥ずかしがらなくてもいいです。実は私も、最初にこの教えを聞いたときには「なるほど、そのとおりだな」と思いました。

 

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宮井 弘之

幻冬舎MC

アイデアを生み出す秘訣は、「洞察力」にあり! 普通の人が考える“常識"をずらして、新しい視点、着想、アイデアを提示する思考法を、目的ごとに紹介。 本書では、世間一般でいわれている“常識"を、著者が一つひとつ覆し…

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