近未来の消費者洞察データを基軸にイノベーション支援を展開する、株式会社SEEDATA代表取締役社長の宮井弘之氏は、周知の事実や世の中の常識に囚われずに成功するための思考法を説いています。

たとえ話は本音をごまかすために作られる?

私は、もっともらしい言葉を聞いたときには、まず、誰がそれを言っているのかを考えます。調べる限り、「卵を一つのカゴに盛るな」と言っているのは、投資家ではなく証券会社の方です。

 

では、仮にこの言葉が、自分の立場を有利にするための〝ポジション・トーク〟だとしたらどうでしょうか。

 

証券会社は手数料ビジネスですから、できるだけ多くの人に投資商品を購入してもらうほうがいいわけです。そうすると、一点集中の長期投資よりも、数多くの銘柄を次々と買ってもらうほうが、商売がうまく回ります。

 

ましてや、その言葉が、投資のリスクを引き下げて安全であるとの印象を高めてくれるのであれば、さらに都合が良くなります。

 

これはあくまでも仮説ですが、そう考えれば「卵を一つのカゴに盛るな」が、まことしやかにささやかれる理由も理解できます。

 

もちろん、「卵を一つのカゴに盛るな」は、まったくの〝ウソ〟ではありません。それがしらじらしい〝ウソ〟であれば、誰も信じませんし、人に伝わることもないでしょう。「卵を一つのカゴに盛るな」は、すでに資産家になった富裕層にとっては定石なのです。

 

投資利益だけで生活しているような富裕層の場合、一点集中投資なんてできません。万が一にも、その銘柄が大暴落したり倒産したりしては、資産が崩壊します。数千万円から数億円の十分な資産がある方の場合は、「卵を一つのカゴに盛るな」は正しいアドバイスとなります。

 

投資資金が100万円の人にとっては年利1%で1万円なんて雀の涙ですが、100億円の人にとっては年利1%でも1億円の収入になるのですから、「ローリスク・ローリターン」の「卵を一つのカゴに盛るな」で正解になるのです。

 

しかし、一般庶民が分散投資しても、うまくいきません。分散したうちの一銘柄が株高になっても、ほとんどタネ銭が増えないからです。卵は一つのカゴに盛らないと突破力が出ないのです。

 

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バカにされたら「ありがとう」 あなたの限界をラクに超える最強の洞察思考

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宮井 弘之

幻冬舎MC

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