「本を読む」のは、いいことなの?という疑問
「本を読むな!」と叱る親御さんや学校の先生に会ったことはありますか? 私たちは、書籍によって知識を得ることを美徳と考えるように馴らされています。
しかし、「本を読む」のは、無条件に良いことなのでしょうか。今度は、この「美徳」へのチャレンジを通じて洞察スキルを養いましょう。とはいえもちろん、読書が知識を得る手段として優れていることは否定しません。しかし、読書は知識を得るための唯一の手段というわけでもありませんよね。
なんらかの知識を得るために、読書が最も効率の良い手段であるのかどうかを検討してみましょう。例えば、原始時代には書籍や文字はありませんでしたから、知識は口伝によって広がりました。現代でも、書籍よりもセミナーを好む人は多いです。
リアルのセミナーは移動の時間や手間がかかりますが、動画セミナーやオーディオセミナーも充実してきています。そもそも、YouTubeなどの動画サービスや、書籍をオーディオで聴くというサービスが市場を広げている時点で、活字を追う読書よりも、耳で聴いたり、目で見たりと視聴覚をふんだんに活用した情報摂取を選好する人が多いことに気がつくべきでしょう。
読書が知識獲得の王者だった時代は終わりつつあります。
また、書籍には、情報がリアルタイムの最先端ではないという欠点があります。例えば、脳科学にせよ、AI研究にせよ、最新の情報をもっているのは最前線の研究者です。
ですから、最新の情報を得たければ、研究者に直接会って話を聞くことが一番です。しかしながら、面識のない研究者に時間を割いてもらうのはなかなか難しいことですから、一般的には、その研究者の書いた論文を読むことになります。
これは広い意味での読書ではありますが、書籍にまとまっていない論文を読むのが趣味という人はあまり多くないでしょう。ちなみに、私は一般の書籍はほとんど読まず、なんらかの知識を得るという目的で活字を読むときには、主に研究論文を読みます。
つまり、ピンポイントで目的を絞った読書だけをするようにしています。最近は、論文の内容を分かりやすい動画にまとめて発信しているYouTuberもいますから論文を愛好するのは私だけではないようです。
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