「電球が切れてる」「ゴミが捨ててある」マンションのトラブルはいつ発生するかわかりません。マンションオーナーはこのような苦情に年中無休で対応してくれる業者を探さなければいけない理由を税理士で自身も賃貸経営をしている川口豊人氏が解説します。

24時間365日対応しなければ…

同時に賃貸住宅経営で失敗しないためには、さまざまな面で目配りがきくきめ細かさが不可欠です。

 

たとえば、賃貸管理を任せる場合、家賃の徴収から日常のトラブルへの対応、退去時の精算やリフォームなどまで一括して任せるのが一般的です。ですから、ついつい知り合いの不動産会社などに丸投げしてしまうのですが、それが失敗のもとになったりします。

 

ご承知のように不動産業界ではなぜか水曜日休業の会社が多くなっています。土曜・日曜にお客が多いので、そこは休めないため週のなかほどに休みを設定しているのでしょう。最近は週休2日制を導入、火曜・水曜が休みという会社も増えています。また、お盆やお正月も休みで、その間賃貸住宅の管理業務もストップしてしまう――そんなケースもあります。

 

同様に、小規模な会社だと深夜には社員がいませんから必然的に対応できません。でも、賃貸住宅のトラブルは夜間だからといって待ってはくれません。「隣の部屋が夜遅くまでうるさいから何とかしてくれ」といった依頼から、「共用廊下の電球が切れていて危険なので、すぐにも取り替えてくれ」などといった連絡が入ってきます。

 

それらに迅速に対応できないと優良な入居者は退去し、あまり良くない入居者だけが残ります。すると、ますます入居者のレベルが低下し、雰囲気が悪化、いっそうの賃料低下や空室増加が避けられません。

 

そうならないように、24時間対応してくれる管理会社が必要ですが、中小の不動産会社だとどうしてもそこまで対応できないものです。社員が少ないですから、それは仕方ありません。そうなると、大手の管理会社ということですが、こちらは手数料が高く、これまで取引関係がないので不安も残ります。

 

それをカバーする方法として、深夜の時間帯だけ警備会社などの専門会社に依頼することもできます。深夜の時間帯をカバーできない分、管理会社の手数料を少し安くしてもらい、そのコストを警備会社などに回して24時間対応できるようにしておくのがいいでしょう。

 

以上のように、どこに依頼するのか、適切な依頼先選びを行った上でインセンティブを与えるなど、依頼先がやる気を持って取り組んでくれるように工夫することや、細部にまで目配りできるきめ細かさが重要になってきます。

 

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マンションオーナーの赤字脱却術

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川口 豊人

幻冬舎メディアコンサルティング

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