ダラスを本拠とする世界最大(2019年の収益に基づく)の事業用不動産サービス会社、シービーアールイー株式会社(CBRE)。今回は、同社の「ジャパンメジャーレポート - 不動産マーケットアウトルック2021 2021年1月」より一部抜粋し、賃料が下落している「銀座エリア」の今後の動向や、コロナを機に銀座に移転や出店を検討する際のポイントを解説します。
コロナで消費が低迷するも、6月以降は持ち直しの兆し
新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受け、2020年のリテール関連指標はいずれも低迷した。
特に、4月・5月の関連指標は軒並み過去最大の落ち込みをみせた。感染抑制のための営業自粛の要請、消費者マインドの悪化、インバウンド需要の激減などによるもの。ただし、緊急事態宣言解除後の6月以降はマイナス幅が縮小、持ち直し傾向にある。
7-9月期の実質国内総生産(GDP)は対前期比5.0%増と、4-6月期の同8.2%減から大きく反発した。なかでも、GDPの半分以上を占める個人消費が同4.7%増と、1980年以降で最大の伸びとなった。緊急事態宣言解除後の経済活動の再開や、政府による国民一律10万円の特別定額給付金、観光支援事業「Go To トラベル」の効果などが寄与したとみられる。
9月の小売業販売額は対前年同月比8.7%減(FIGURE1)。4月の同13.9%減を底として8月には同1.9%減まで持ち直したが、2019年の消費税増税前にみられた駆け込み需要の反動などが影響した。9月の全国百貨店売上高は対前年同月比33.6%減。4月の同72.8%減を底として8月には同22.0%減まで持ち直したが、駆け込み需要で伸びた高額品などの反動が影響した。
10月の消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)は、対前月比0.9ポイント上昇の33.6と2カ月連続で上昇した(FIGURE2)。4月の21.6(同9.3ポイント低下)は、現在の調査方法となった2013年以降で過去最低、下げ幅も過去最大だったが、5月以降は持ち直しの動きが続いている。コロナ禍以前の水準には届いていないものの、消費者マインドは改善している。
一方、リテーラーの出店ニーズや賃料の上昇を牽引したインバウンド需要は、ほぼ消失したままだ。10月の訪日外客数は対前年同月比98.9%減(FIGURE3)。
4月以降、前年同月比で約99%の減少が続いている。政府が入国規制の緩和をはじめているが、しばらくはビジネス目的や長期滞在者に限定される。そのため、観光客の回復にはしばらく時間が掛かることが予想される。
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シービーアールイー株式会社(CBRE)
リサーチ
ディレクター
CBRE日本法人は、不動産賃貸・売買仲介サービスにとどまらず、各種アドバイザリー機能やプロパティマネジメント、不動産鑑定評価などの17の幅広いサービスラインを全国規模で展開する法人向け不動産のトータル・ソリューション・プロバイダーです。CBREの前身となった生駒商事が1970年に設立されて以来、約半世紀に亘り、日本における不動産の専門家として、全国10拠点で地域に根ざしたサービスを展開してきました。
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CBREグループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン500」や「S&P500」にランクされ、ダラスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社です(2021年の売上ベース)。全世界で105,000人を超える従業員(ターナー&タウンゼントの従業員を除く)が、100カ国以上でクライアントに対し、幅広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の取引業務、プロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不動産開発サービス、不動産投資マネジメント、戦略的コンサルティングを主要業務としています。
2007年シービーアールイー入社。投資家や一般事業会社所有の不動産に対して、有効活用を提案するコンサルティング業務に従事。2010年リサーチに異動。グローバルならびにAPACレポートの日本パート作成に携わり、海外クライアントに対して日本のオフィス、物流施設、商業施設の賃貸市場に関する情報を発信。2014年から商業施設の賃貸市場に特化し、各種レポートの執筆とともに国内外のクライアントに対してマーケットの考察を提供している。グラスゴー大学院社会科学部、早稲田大学経営管理研究科卒業。
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