「オフィス」にこれまで以上に求められる役割は?
コロナ禍を契機として、オフィスワーカーの働き方や働く場所が大きく変化している。
2020年10月にCBREが実施した「オフィス利用に関するテナント意識調査」によると、約6割の企業がコロナ禍を契機にリモートワークを導入したと回答している(FIGURE1)。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大前から導入済みの回答者を合わせると、約9割の企業がリモートワークを制度として導入していることになる。この導入率については、「東京23区」と「東京都下および地方都市(以下、地方都市)」で明確な差異はみられない。
一方、実際にオフィスを利用している人数では「東京23区」と「地方都市」で違いがみられた。FIGURE2は、現在入居中のビルにおけるオフィス内の全席の最大稼働率(2020年10月時点)の回答割合である。
東京23区では最大稼働率が「全席数の75%以上」の回答割合は28%であるのに対し、地方都市ではこの割合が42%と高い。地方都市では、リモートワークを制度として導入したものの実際はオフィスを使用している割合が高いことを示している。
このことは、リモートワーク導入を理由とするオフィス使用面積の見直しは、東京23区と比べて地方都市では限定的になる可能性を示唆している。そのため、東京と比較して地方都市の空室率上昇は抑制される見通しだ。
コロナ禍を契機に導入が進んだリモートワークだが、その実施には課題も多い。なかでも、「従業員同士のコミュニケーション」や「部下・チームマネジメント」を課題とする回答はいずれも7割を超え、回答割合の上位を占めた(FIGURE3)。
オフィスには、こうしたコミュニケーションを活性化させる役割がこれまで以上に求められるといえるだろう。コミュニケーションの量や質は業務の効率性や生産性に大きく影響する。今後、このことが改めて認識されることで、東京、地方ともにオフィスへのワーカー回帰の動きが生まれ、座席の稼働率は上昇する可能性もある。
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