父の死後、急激に弱ってきた母が要介護に…
Gさんの父親は3年前に亡くなり、配偶者である妻に自宅と生命保険の死亡保険金、長男であるGさんと弟それぞれに預貯金や有価証券を遺しました。父親はきちんと遺言書を作成してあったので、この一次相続で家族は特に揉めることもありませんでした。
Gさんも弟も実家を離れて暮らしていましたが、母親は元気だったので、車で30分の場所に住むGさん夫妻が時折様子を見に行く程度で大丈夫でした。ところが、父親が亡くなったのを境に、母親がみるみる元気を失い、衰えていってしまったのです。
Gさん夫妻は同居していない自分たちが母をお世話するには限界があると考え、介護保険サービスを利用することにしました。それには、要介護認定を受けなければいけません。
介護保険制度の要介護(要支援)認定は、「要支援1」「要支援2」「要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」の7段階になっています。「要介護3」と認定されれば、特別養護老人ホーム(特養)に入所でき、24時間体制で介護サービスが受けられます。
しかし、Gさんの母親は「要介護2」でした。週2〜3回のデイサービス通所や訪問介護は受けられますが、このまま母親が一人暮らしするのは心配です。Gさん夫妻は弟とも話し合い、「要介護2」でも受け入れてくれる有料老人ホームへ入所させることにしました。
入居一時金は、母が父から相続した保険金で支払うことにしました。入居一時金や入居金がある有料老人ホームは、その分、月額費用を抑えているのが一般的です。とはいえ、介護サービス費、食費などの月々の支払いがあり、こちらは実家を売却して賄うつもりでした。
ところが、思わぬ人物がGさん兄弟の前に立ちはだかったのです。
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