不動産を売るときに複数のサイトで高い見積もりを出す業者は、こんな手法でその値段を「値引き」していきます。不動産業者の手法を株式会社共信トラスティ代表取締役で不動産鑑定士の土屋忠昭氏が語ります。

高い査定額の裏にある売主泣かせのカラクリ

査定額を低めに設定して早く交渉をまとめようとする仲介業者がいる一方で、あえて高めの査定額を提示してくるパターンもあります。ここからお話しすることが、その「業者のカラクリ」です。

 

比較サイトで複数の価格査定を比べた場合などで、他よりも目立って高い査定額が提示されることがあります。売主は少しでも高く売りたいわけですから、その業者に依頼をしたくなるでしょう。しかし、それこそが相手のねらいです。

 

魅力的な査定額は、物件を自分のところに引きつけておくための手段です。甘い蜜を用意して、そこに何も知らない売主が寄ってくるのを待っているのです。

 

ところが、高い価格のままでは、買手は当然つきにくくなります。売れないまま時間だけが過ぎていきます。売主がしびれを切らしたり、「本当に売れるのだろうか」と不安になったりしたところで、業者からディスカウントの提案がされます。

 

「このまま高値で待っていても売れません。どうでしょう、価格を下げてみませんか。価格を下げれば、買手も見つかりやすくなりますよ」と言ってくるのです。売主も売れなければ仕方がありませんから、ディスカウントに応じるしかありません。結局、当初の高値では売れず、じわじわと値下げをしていって相場そこそこに落ち着くわけです。

 

もちろんこれは望ましいことでありませんが、ビジネスとして許されているやり方で、決して業者が法を犯しているわけではありません。ただし売主側の視点からすると、”おいしい夢だけ見させられた”気がして、がっかり感や不快感が残るでしょう。

次ページ不動産業者がやってる「ころがし」とは

本記事は『増補改訂版 不動産は「オークション」で売りなさい』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、再編集したものです。

増補改訂版 不動産は「オークション」で売りなさい

増補改訂版 不動産は「オークション」で売りなさい

土屋 忠昭

幻冬舎メディアコンサルティング

初版好評につき増補改訂! 豊富な経験と専門知識を持つ著者が、不動産をオークションで高値売却する方法をわかりすく解説。 空家増、相続問題、暴落懸念など、さまざまな理由で不動産を売りたい人が増えています。しかし、…

不動産は「オークション」で売りなさい

不動産は「オークション」で売りなさい

土屋 忠昭

幻冬舎メディアコンサルティング

かつてないほど不動産が売りづらい時代…高値売却を実現するマル秘テクニックを大公開! 空家増、相続問題、暴落懸念…さまざまな理由で、不動産を売りたい人が増えています。 しかし、売主と買主、一対一の「相対取引」で…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧