もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

老人ホームに過度な期待を持ってはいけない

つまり、老人ホームで快適な生活を望んでいるのであれば、自分ができる範囲で誰かに何かをしてあげることを考えたほうがよさそうです。

 

「お互いさま」という言葉があります。老人ホームでは、この「お互いさま」の精神が、快適に過ごすためには一番必要な魔法の言葉なのです。「お互いさま」の精神で快適に過ごしたいものです。

 

快適な生活のための心得⑦ 
ホームは楽園ではないと覚悟すること

 

老人ホームに過度な期待を持ってはいけません。

 

介護職員は、全員心優しく親切な人でしょうか。そうではない介護職員もたくさんいます。もちろん、介護の国から来たような心優しい職員もいますが。念のため心得ておかなければならないことは、老人ホームは、普通の株式会社がやっている営利企業だということです。したがって、目的は利益を追及しなければなりません。

 

そして、利益を追及するために、さまざまな介護支援サービスを行い、入居者やその家族の方から支持を得なければならないのです。したがって、利益に結び付かないサービス、つまりは、ごく一部の人にしか支持されないサービスに積極的に取り組むということは、ありません。営利企業としては常識の話です。

 

さらに、老人ホームは集団生活の場です。「全体最適」が「部分最適」より優先されます。個人の都合ではなく、みんなの都合を優先すること、これが老人ホームの運営なのです。

 

とくに、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームなどは、この傾向が強く、ホーム側の都合が強く出てしまう傾向があります。もちろん、全体の都合に対し自分自身が合わせることが苦にならない人にとってはまったくのマイナス面ではありませんが、合わせることが難しい人の場合は覚悟が必要です。多くの場合、個人に合わせてホーム側が譲歩することはありません。

 

小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

小嶋 勝利

海竜社

老人ホーム探しの「主役」は、一体誰なのでしょうか?もちろん「入居者」である、と答える方がほとんどではないでしょうか。しかし、多くの場合、とくに要介護高齢者用の老人ホームの場合、主として探しているのは「家族」です…

誰も書かなかった老人ホーム

誰も書かなかった老人ホーム

小嶋 勝利

祥伝社新書

老人ホームに入ったほうがいいのか? 入るとすればどのホームがいいのか? そもそも老人ホームは種類が多すぎてどういう区別なのかわからない。お金をかければかけただけのことはあるのか? 老人ホームに合う人と合わない人が…

老人ホーム リアルな暮らし

老人ホーム リアルな暮らし

小嶋 勝利

祥伝社新書

今や、老人ホームは金持ちが入る特別な存在でななく、誰もが入居する可能性の高い、社会資本です。どうやって老人ホームを選んだらいいのか?それには入居者の生の声を聞くのが一番と、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営…

もはや老人はいらない!

もはや老人はいらない!

小嶋 勝利

ビジネス社

コロナより怖い、老人抹殺社会の現実がここに。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が明かす、驚愕の事実! 日本は世界に先駆けて超高齢化社会と言われています。老人の数は加速度的に増え、このままでいくと日本は老…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録