もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

老人ホームはブランドイメージを維持できない

まだまだ、ホテル業界のような整理と整備はできていませんが、企業ごとではなく、ブランドによって、ホームで提供されるサービスを区別している老人ホームはたくさんあります。ホテル業界より弱いのは、そのブランドを維持することに甘さがあり、数年経つと当初のブランドイメージとは、まったく違う形になってしまっても平気でいられるところです。

 

老人ホームはホテルと違い、ブランド力を誇示することが難しい

 

数年経つとブランドイメージとはまったく違うホームになってしまう、と書きました。

 

小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)
小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)

もう少し、詳しく見てみましょう。自立者向けのホームがあったとしましょう。自立者向けといっても、介護職員が配置されている関係で、多少の介護状態であれば対応可能なホームです。つまり、自立者が得意なホーム、または自立者が楽しく生活を送るホームということになります。

 

しかし、このホームは来年、開設10年目を迎えます。入居者を見てみると、入居時は自立だった入居者が皆要介護状態になってしまい、今では地域で重度の要介護高齢者専門の老人ホームというレッテルを張られています。開設当初は、自立者向けのホームだったにもかかわらず、今では要介護老人ホームになってしまいました。

 

これが老人ホームの実態です。いくら開設当時に明確な目的で開設したとしても、時間とともにその開設目的は台無しになってしまうのです。

 

もちろん、開設当時の目的を維持していくために、要介護状態になった場合は、強制退去をさせることができれば目的の維持は可能ですが、強制退去などさせられるわけもありません。多くの入居者は、引き続き、ホームに留まるはずです。したがって、ホテルと違い、ブランドイメージを維持させていくことは難しいのです。

 

小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

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