老人ホームはブランドイメージを維持できない
まだまだ、ホテル業界のような整理と整備はできていませんが、企業ごとではなく、ブランドによって、ホームで提供されるサービスを区別している老人ホームはたくさんあります。ホテル業界より弱いのは、そのブランドを維持することに甘さがあり、数年経つと当初のブランドイメージとは、まったく違う形になってしまっても平気でいられるところです。
老人ホームはホテルと違い、ブランド力を誇示することが難しい
数年経つとブランドイメージとはまったく違うホームになってしまう、と書きました。
もう少し、詳しく見てみましょう。自立者向けのホームがあったとしましょう。自立者向けといっても、介護職員が配置されている関係で、多少の介護状態であれば対応可能なホームです。つまり、自立者が得意なホーム、または自立者が楽しく生活を送るホームということになります。
しかし、このホームは来年、開設10年目を迎えます。入居者を見てみると、入居時は自立だった入居者が皆要介護状態になってしまい、今では地域で重度の要介護高齢者専門の老人ホームというレッテルを張られています。開設当初は、自立者向けのホームだったにもかかわらず、今では要介護老人ホームになってしまいました。
これが老人ホームの実態です。いくら開設当時に明確な目的で開設したとしても、時間とともにその開設目的は台無しになってしまうのです。
もちろん、開設当時の目的を維持していくために、要介護状態になった場合は、強制退去をさせることができれば目的の維持は可能ですが、強制退去などさせられるわけもありません。多くの入居者は、引き続き、ホームに留まるはずです。したがって、ホテルと違い、ブランドイメージを維持させていくことは難しいのです。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】