もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

老人ホームには得手不得手のサービスがある

老人ホームは目的別に分かれているのが正しい在り方

 

多くの読者の皆さんにとっては同じに見える老人ホームですが、多くの老人ホームは機能別に整理されているのが普通です。

 

たとえば、自立の高齢者向けの老人ホームがあります。これは入居時の状態が自立でなければ入居することができません。一般的に、この自立の高齢者向け老人ホームが単体で存在することはなく、要介護状態の高齢者向け老人ホームがセットになっているのが普通です。

 

多くの老人ホームは機能別に整理されているのが普通だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
多くの老人ホームは機能別に整理されているのが普通だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

中には、同一敷地内に自立と要介護状態の高齢者用の老人ホームが並んで建っていたり、さらに、同一建物内で1階から3階までが要介護者専用フロアなどどなっているケースがあります。

 

要介護状態の高齢者用老人ホームでも、実際は、老人ホーム側の提供できるサービスレベルが違うので、厳密に言うと得手不得手があります。軽い認知症なら入居は可だが、重い認知症の場合は、入居を拒否するというホームもあります。

 

さらに、医療行為に関しては、夜間も含む24時間にわたり看護師の配置がないホームでは、原則入居を受けることは難しいと理解しなければなりません。また、リハビリというキーワードをよく耳にすると思いますが、リハビリはそもそも医療の領域なので、理学療法士などの医療従事者の配置がないホームでは対応することはできません。

 

ただし、生活リハビリといって、リハビリテーションこそ日常生活の中で生活に困らないために行うべきである、という考え方でリハビリに取り組んでいるホームもあるので、さらに事がややこしくなっています。

 

老人ホームの場合を見ていきましょう。私は、老人ホームには流派があると言い続けています。この流派とは、細かいことを言えば、介護サービスに対する手順や作法を言います。大雑把なことを言えば、各老人ホームのブランド(名称)です。老人ホームにも、大手企業を中心にブランドイメージができつつあります。

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親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

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