もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

老人ホームはその立場によって選び方が異なる

かくいう私は、海外旅行は初心者そのものです。1年間に多くても1回程度しか海外には行きません。したがって、私自身がもし、今、アメリカのニューヨークに行かなければならないというケースが出現した場合、おそらく、ネットサイトだけで日程を予約することはないはずです。最寄りの旅行代理店に赴き、不安なことを専門家に相談したいと考えます。もっと言うと、何を相談してよいのかも想像がつかないので、とりあえず、専門家に会って話がしたい、話を聞いてみたいという心理になるはずです。

 

 小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)

小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)

つまり、読者の皆さんの老人ホーム選びは、私にとっての海外旅行と同じだと思います。だから、老人ホーム初心者の方には、ネットだけではなく、専門家と対面でしっかりと相談していくことが必要だということになるのです。

 

老人ホーム選びは立場によって選び方が違う

 

老人ホーム選びは、その立場によって選び方が違うということに気がつかれたでしょうか?

 

要介護の高齢者の場合、老人ホームを選ぶときに自分で主体的に立ち回るということはありません。つまり、ご主人が要介護状態で老人ホームに入居する場合、探して選ぶ人は妻であり子供です。逆に、今は自立しているが、やがて来るそのときに備えて今から老人ホームを探そうという人の多くは、自分で探し自分で選びます。

 

繰り返しになりますが、入居者が要介護状態の場合、その状態によって提供されるサービス内容が重要になってきます。逆に、自立の高齢者の場合、提供されるサービスよりも立地や設備、環境などのほうが重要になります。乱暴な言い方をすれば、要介護状態の高齢者は提供されるサービスを吟味して、自立の高齢者は不動産物件選びに準じた選び方で、ということになるのではないでしょうか?

 

ただし、この区分も、少しわかりにくいというか、現実的ではないところがあります。それは、自立の高齢者の老人ホームへの入居目的にあります。来るべきその日に備えて、今から入居しておこうという入居動機の場合、当然、来るべきその日とは要介護状態になった日ということになりますが、その日がいつ来るかが誰にもわかりません。1年後に来るのか、死ぬまで来ないのか。

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親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

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