コロナ禍で苦境に陥り、何とか国からの支援で踏ん張っている…そんな中小企業は多いでしょう。しかし近いうちに支援は期限を迎えます。そんななか、光明がみえてきました。先日、12月8日、経済産業省から経済対策として「事業再構築補助金の創設」が発表されました。今回は、その概要を中心に展開していきます。※本連載では、企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏が、中小企業が経営難を乗り切る方法を解説していきます。

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「補助金をもらえる確率」はどうか?

注目すべきは1兆円という予算枠です。1社1億円でも1万社、100万円ならばなんと100万社という規模です。100万社というと国内企業358万社のうち28%に相当します。

 

持続化給付金は書類さえそろえば給付されますが、今回は戦略・事業計画なども必要と思われ、持続化給付金よりも申請のハードルが上がるはずです。実際に事業転換戦略を立て、それを事業計画、資金繰り計画まで落とし込める中小企業は少ないため、実質の採択率は相当高いと思います。言い換えれば、申請さえきちんとできれば、高確率で補助金を得ることができるわけです。

 

懸念は、実は予算枠を使い切るつもりはなく、巨額の枠を見せることで金融市場、国民へアピールすることが目的だったというケースです。

「一刻も早く申請すべき」といえる理由は?

この補助金は第3次補正予算に盛り込まれていますので、国会での正式決定はおそらく1月中。事務方が準備をして3月から公募開始がほぼ最短での日程と予想します。

 

この補助金は、持続化給付金のような形式要件確認でなく、事業・財務視点での確認が必要です。となると派遣会社に丸投げしチェックの方式は使えず、事業の専門家による精査が必要となることから、1件当たりの確認時間は相当に増えるでしょう。

 

確認時間をかなり必要としながらも、なるべく早く補助するならば、応募期間を第5次までのように分割することが予想されます。

 

第1次が3月応募開始で4月末までの申請期限とすると採択(合格)発表は、早くて6月頃。一般的に補助金は採択されてすぐに振り込まれるものではなく、対象事業を行った後に書類を確認してから振り込まれるものです。今回のケースでは、実際に再構築を実行し、その分の支払いを済ませたという証憑(しょうひょう)が、補助金の入金前に必要となります。さらに対象事業の実施は、採択後であることが通常求めれます。

 

まとめると、6月に採択結果が出た後に再構築を実施し、支払いを済ませ、補助金事務局に確認してもらい、補助金が振り込まれるのは最短でも9月頃と思います。

 

随分と遅いですね。もしかすると、今回は採択前の再構築実施を認めるかもしれません、前例はあります。いずれにせよ、少しでも早く補助金をもらうためには、少しでも早く申請したほうが良いでしょう。

 

今回の補助金ではあまり心配する必要がないかもしれませんが、補助金には枠があるため、第4次、5次の募集では採択率が激減することがあります。広告も対象となった小規模事業者持続化補助金では、第2次の募集までも採択率80%を超えていたものが、第3次では34%程度まで減少しました。予算の上限が近づいたため運用を変更したものと思います。予算枠リスクの点からも早い申請が安心です。

 

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