3月に公募開始のアナウンスがされている「事業再構築補助金」ですが、認定支援機関に補助金採択は難しいと判断される事例があるといいます。企業再生のスペシャリストである坂本利秋氏は「補助金採択が難しいとされる事例には、いくつかのパターンがある」といいます。今回は具体的にどのようなパターンがあるのか、見ていきましょう。

事業再構築補助金…採択が難しいと判断される事例も

事業再構築補助金のコメントを続けているためでしょうか、補助金申請の相談を多くいただきます。大半のケースでは、概要を伺ったうえで信頼できる認定支援機関を紹介することになります。筆者も時間の許す限り、補助金の申請を希望する企業と認定支援機関とのWEB会議に参加していますが、不幸にも支援が難しいと判断される事例があります。そして支援者が補助金採択は難しいと判断する事例にパターンが見えてきました。本気で補助金獲得により再生を図りたい企業は、このパターンを回避できる方法を考えるべきです。

 

補助金採択、難しいと……(※画像はイメージです/PIXTA)
補助金採択、難しいと……(※画像はイメージです/PIXTA)

パターン1.強みが活かされていない

経産省による事業再構築補助金のリーフレット(チラシ)には、いくつかの再構築補助金の利用イメージが紹介されています。利用イメージの大半は、

 

・接触型サービスを非接触型へ変更する

・実店舗での販売をデリバリー型へ移行する

・特殊技術を他サービスで活かす

 

というものです。利用イメージ例で紹介されている件数から、おそらくこの3つに該当する再構築事業が採択のメインになると予想します。言い換えると、このパターンにハマらないケースは、採択のハードルが上がるはずです。

 

よって、企業の強み・経験が活かされていないような、まったく新規事業での再構築計画では補助金採択は難しいと思われます。典型的な例ではFC加盟です。FC加盟自体は何ら問題はありませんが、補助金獲得という面から見ると避けるべきだと思います。まずは自社の強みは何かを考えぬいてください。そしてその強みを非接触型へ移行、デリバリー型へ移行、他サービスで展開することで再生が図れないかを考えるべきです。

 

相談企業のなかには、新型コロナ禍でも発揮できる強みは無い、新型コロナの収束時期が見えない以上、まったく新規でもやるしかないだろうという意見も伺います。お気持ちはよくわかるのですが、この補助金の趣旨とは異なるようです。新規事業補助金ではなく、あくまで事業再構築補助金なのですから。

 

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