「執刀医の好みも知っておかないといけない」
僕は手術に入っては必死で手順を記憶し、終了後にノートに書き留めた。
「違う、先にこうするんだ」
「前の手術で誰かそんなことをしていたか」
しかし、手順をそのままなぞるのは難しかった。手術に入るたびに怒られた。
「執刀する先生によっても好みがあるんだ。手術中は執刀医が絶対だから執刀医の好みも知っておかないといけない」
長谷川先生はそう教えてくれた。
(通常の手順を覚えるだけでも難しいのに、先生ごとに違うなんてどうしたらいいんだ)
途方に暮れながらも、なんとか必死に食らいついた。
本記事は連載『孤独な子ドクター』を再編集したものです。
月村 易人
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走