「命をとられるかも」外科は体育会系?勤務医が見た病院事情

「手術が好き」ただそれだけだった…。新人外科医:山川が見た、壮絶な医療現場のリアル。※勤務医・月村易人氏の小説『孤独な子ドクター』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、連載していきます。

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「もういいよ。ちゃんと練習してきて」

転機は1年目の冬に巡ってきた。外科研修で、医師10年目の中堅、長谷川先生が指導医となったことである。外科では手術の技術が求められる。技術が全てではないが、かなり重要である。

 

「よし、じゃあこの糸を結んでみて」

 

チャンスは突然にやってくる。

 

「じゃあ次はこれをやってみようか」

 

そつなくこなすことができれば、次のチャンスが与えられる。

 

「もういいよ。ちゃんと練習してきて」

 

うまくできなければこう言われて、次のチャンスはなかなかこない。チャンスを与えられた時にできることをアピールすることで次のチャンスが巡ってくる。外科はそんなシビアな科だった。

 

体育会系の部活動に似ているところがある。同期がいれば当然競い合うことになるし、比べられる。

 

僕は子どもの頃から家族で一番きれいに魚を食べることができたし、図工も得意だったため、手先を上手に動かす器用さが求められる手術には興味があった。しかし競争は嫌だったので、外科医になりたいわけではなかった。

1991年生まれ。消化器外科医。趣味はプロ野球観戦だが、今は手術の修練や日々の予習・復習に追われており、久しく球場に足を運べていない。ほとんどの時間を仕事に捧げているが決してデキる外科医というわけではない。そんな不甲斐ない自分をいつも励ましてくれるのがもう一つの趣味である小説である。小説の中で頑張っている主人公に出会うと「僕ももう一度頑張ってみたい、頑張れる気がする」と思えてくる。僕もそんな魅力的な主人公を描いて、医師として人の命を、小説家として人の心を支える存在になりたい。

著者紹介

連載孤独な子ドクター

孤独な子ドクター

孤独な子ドクター

月村 易人

幻冬舎メディアコンサルティング

現役外科医が描く、医療奮闘記。 「手術が好き」ただそれだけだった…。山川悠は、研修期間を終えて東国病院に勤めはじめた1年目の外科医。不慣れな手術室で一人動けず立ち尽くしたり、患者さんに舐められないようコミュニ…

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