経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

リフォーム会社との連携で作業スピードアップ

物件ごとにリアルタイムで情報共有

 

紹介した家主の例を見ると、管理会社や仲介会社は入居者募集、入居者満足に直結する役割を担っているので、彼らがいかに動きやすいような環境をつくるかが重要であることがわかる。また、そのためには家主自身の努力や決断は欠かせないのだ。ここに入退去の入れ替え時に依頼するリフォーム会社が加わると、家主には業者間の交通整理がさらに求められる。

 

永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)
永井ゆかり著『1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)

北海道札幌市に85戸所有する小山力大さんは、建物ごとに管理会社の担当者と施工業者、家主の小山さんでFacebook上にグループをつくり、各物件に携わる人たちが情報を共有しやすくしている。その結果、退去後のリフォーム内容の判断、入居可能日時などを3者で共有でき、空室期間の短縮に成功している。

 

退去が発生すると、必ず「原状回復」という作業が必要になる。汚損、破損等を修繕、ハウスクリーニングを実施して入居前の状態に戻す作業だ。このタイミングで、古くなった設備を交換したり、内装をガラッと変えるリフォームを施したりすることもある。原状回復が完了すると、入居可能日が決定する。入居可能日が決定すると、不動産会社は募集ができるようになる。裏を返せば、入居可能日がわからないと募集ができないため、退去後の原状回復の状況の情報の共有は募集に大きな影響を与える。

 

小山さんの場合、ポイントとなるのは、建物ごとにグループを分けていることだ。建物ごとにグループをつくっておけば、「105号室」と書くだけでどこの物件であるかの明記は不要。よりスピーディーに情報共有でき、判断することができるのだ。この方法の結果、「以前は、築年数の古いアパートなどは、空室が発生すると半年ほど空いたままになることもあったが、この方法で、1、2カ月で決まるようになった」と小山さんは話す。

 

小山さんの事例を見れば、管理会社、仲介会社だけでなく、リフォーム会社とも連携すれば、意思決定や作業実施のスピードアップを図ることができ、経営の効率が高まることがわかるだろう。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

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永井 ゆかり

プレジデント社

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