「助けてください」ローン滞納で妻のもとに督促状が…
住宅ローンの返済を滞納すると、通知書や督促状が届きます。丸太さんの家にも督促状が届くようになったため、奥さんが筆者のもとに相談にやってきました。
筆者が彼女にまず訊ねたのは「今後どのように暮らしたいのか」ということでした。答えによって適切な対応は変わってくるためです。
彼女が一番強く希望したのは「今の家にそのまま住みたい」ということでした。家に対する愛着が強い人は多いのですが、中高年の方は特に慣れ親しんだ地域社会に対する思い入れがあり、同じ場所で暮らしたいという強い思いを持っている傾向があります。
丸太さんの奥さんが自宅で喫茶店を開いたのは、なんとか収入を得たいという思いからでしたが、近所の人との交流を楽しめることが、辛い介護生活の中で得がたい楽しみとなっていました。
「出ていかなければと覚悟はしている」と言いながらも、彼女が本心から望んでいたのは「なんとか住み慣れた家で暮らしたい」ということでした。
ローンを滞納しているにもかかわらず、自宅に住み続けたいというのは虫のよすぎる希望に見えるかもしれません。けれども不可能ではないのです。私がその方法として提案したのは「任意売却」でした。