老人ホームでの生活の質も向上する子供との関係
逆に、子供との関係が円満であればあるほど、老人ホームに入居した後も、子供たちとうまく付き合っていくことができています。毎週、毎月、子供や孫が訪れ、一緒に食事に行ったり芝居に行ったりと、活発に交流があります。要は、子供たちとの関係性が良好であればあるほど、老人ホーム内での生活の質は向上していくものなのです。
日ごろから親と話をしておくことが重要
相続と同じで、親の老人ホーム入居の話は、なかなか子供の立場としては言い出しにくいことがあります。しかし、相続の話も老人ホームの話も、双方にとってきわめて重要な話だと思います。よく相続の話を切り出すときに、子供の世代からは「親が死ぬことが前提なので重要だとはわかっていても、切り出しにくい」という話を耳にします。
親世代としては、相続の話など自分が死んだ後の話なので、究極的に言ってしまえば、「どうでもよい」話だと思います。後に残るであろう自分の配偶者が、自分亡き後不遇な目に遭わないようにということがせめてもの心配のはずです。したがって、子供と膝つき合わせて相続の話などする機会はないと思います。
老人ホームの話も、それに近いのではないでしょうか? 子供の立場から言うと、親に「老人ホームへの入居話」を切り出すと、なにやら親の財産目当ての話のように勘繰られてしまいそうです。早く俺たちを自宅から追い出してこの家を乗っ取ろうというつもりなのか、と。
とくに話をややこしくしていることは、そこに他人がついていることです。つまり子供夫婦の場合、自分の子供である長男はいいが、その嫁さんが何かを企んでいるのでは?という勘繰りがお互いに出現してしまいます。そう思うのもそう思われるのも嫌なので、その結果、そのことには触れないということになってしまいます。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
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