心の準備もないまま、突然実家を相続することになった30代の独身会社員男性。相続財産をどうするべきか、自分の心が定まらないまま、時間ばかり過ぎてしまいます。数百万円単位の相続税も心配です。親から受け継ぐ土地を自分のものとして維持したいのか、手放しても後悔はないのか…。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

個性的な物件が、入居者の心をつかんで大人気に

●電動シャッターつきガレージが大好評!

 

物件の場所柄、片道複数車線の広い道路があり、車を所有している方、さらに車にこだわりを持っている方が、想像以上に多く住まわれているということが、調査で明らかになりました。こうした地域住民の特性を踏まえて企画した、電動シャッター付きインナーガレージというコンセプトは、大変な好評を博すことになりました。

 

 

近隣にはスーパーマーケットやホームセンター等も充実しており、ファミリー向けの地域だということもあり、2LDKという間取りも、需要にマッチしたものとなりました。

 

●内見者から「賃貸の概念が変わった」との声も

 

今回建築したのはメゾネット構造の賃貸住宅であり、他人と上下階を共有しないため、戸建感覚で入居いただくことができるようになっています。また、鉄筋コンクリート造だと柱が部屋に出ることが通常ですが、この物件はそれがなく、部屋を広く使うことができ、家具の配置の自由度も高くなっています。内見されたお客様から「賃貸の概念が変わった」との言葉も多く聞かれました。

 

ガレージハウスは、必然的に車を所持している方向けになります。車を所持しているのは家族がある方が多いため、2LDKという大きめのファミリー向けの間取りに。また、木造なので建築費用を抑えることができ、ほかの新築物件、築浅物件にくらべて家賃を抑えることができました。その結果、賃料の近い近隣の物件よりも綺麗で設備の充実した、競争力の高い物件の提供が実現しました。

 

当初の村山さんの相続税予想額は480万円でしたが、借り入れによる賃貸物件の建築という対策の結果、相続税予想額は0円となり、480万円の節税効果(相続税の納税が不要に)を得ることができました。

 

「いきなり自宅を相続することになり、売るべきなのか、住み続けるべきなのか、自分でも答えが見つけられずに困っていました。ですが、いろいろと打ち合わせを重ねるうちに、親から受け継いだ土地を手放したくない、という自分の気持ちに気づくことができました。しっかり自分の気持ちと向き合う機会がなかったら、不本意な結果になってしまったと思います」

 

「調査の結果、人気の高い賃貸物件が建設でき、満足しています。相続税の心配もなくなり、一安心です。これからも、親から受け継いだ土地をしっかり守っていきたいです」

 

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

 

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

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本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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