養子縁組するべきなのか?「土地持ち資産家老婦人」の相続対策

大地主の父親は、ひとり娘の配偶者を婿養子にすることで、ある程度の節税を行っていました。しかし、その娘夫婦の実子はひとりだけ。せっかく2人に分散した資産は、またひとりに集約されてしまいます。このケースの場合、「養子」を活用した相続対策のメリットはあるのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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分散させた相続財産が、再度ひとりっ子に集約され…

今回の相談者は、50代会社員の佐々木さんです。資産家の家庭でひとりっ子として育った佐々木さんは、大学を卒業後大手メーカーに就職し、20代半ばで同僚と結婚しました。職場の配属先は転勤が多い部署で、20代から40代前半までは全国を数年おきに移動する生活で、以後はほとんど親元から離れて暮らしていました。40代半ばになって役職が上がり、東京本社勤務になったのをきっかけに、都内の自分の実家から1時間程度、妻の実家から数分の場所に分譲マンションを購入。いまは配偶者と子どもたちで生活しています。

 

佐々木さんは数年前に父親を亡くしています。父親の相続が発生した際に財産を調べたところ、資産内容は佐々木さんの予想をはるかに上回っており、相続税額はかなり高額でした。しかし、大地主のひとり娘だった母親は父親以上の資産を所有しており、また、不動産からの多額の不労所得もあるため、資産はじわじわと増え続けています。

 

そのため、それほど遠くない将来に母親の相続が発生した際、どのように対処すべきか相談したいとのことで、筆者の事務所を訪れました。

 

●相続人関係図

依頼者 :佐々木さん(50代男性、会社員)
被相続人:母親(予定)、 推定相続人(長男=相談者)
資産状況:自宅不動産、賃貸マンション、貸宅地、駐車場、預貯金、有価証券等

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。著書50冊累計38万部、TV・ラジオ102回、新聞・雑誌420回、セミナー500回を数える。近著に『いちばんわかりやすい 相続・贈与の本'18~'19年版』(成美堂出版)、『増補改訂版 図説 大切な人が亡くなったあとの届け出・手続き』(宝島社)ほか多数。

著者紹介

連載相続実務士発!みんなが悩んでいる「相続問題」の実例

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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