なぜ、今「児童発達支援事業」が求められているのか…
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読書をすれば「算数」もできるようになる!?
“百ます計算”の生みの親である岸本裕史先生は、読書と算数の能力は関係しているとしています。読書から得られる架空の事柄についての推論ができれば3年生レベルの図形問題を、抽象的な論理を理解すれば小学校4年レベルの算数を、異なった表現で表される関係を、比較可能なように翻訳=変換することができれば小学生として必要な算数が理解できると言います。
すなわち、読書から身につけられる言葉をさまざまな角度から理解する能力が、算数を理解するための基盤づくりになっているということです。
テレビ番組は、大量の言葉にあふれていますので、語彙数を増やすのに役立つと思われていますが、そうではありません。
ゴールデンタイムのショー番組で使われている語彙は、大人向けの番組も子ども向けの番組も、ともに子ども向けの本よりも容易なものに限られています。テレビは、言語刺激としては量的に巨大ですが、語彙数を増加させるような、新たな語彙に子どもが接する機会としては、あまり期待できないことが分かります。
「読書」によって身につけられる語彙数は?
ナジーとヘルマンの研究では、1日25分の読書、1分あたり200語のスピードで年間200日読むと仮定すれば、子どもは年間で約100万語に接していることになるそうです。
こうして読まれるテキストの中で、1.5%から3%の新しい言葉に触れるとすれば、子ども達は年に15,000〜30,000語もの新しい言葉に接することになります。
本を読むことの重要性は広く知られているのにもかかわらず、8~28週にわたり、アメリカの5年生について放課後の活動を調べた研究によると、1日に20分以上本を読む者は、全体の10%に過ぎなかったと報告しています。日本の研究では、小学1年生と6年生に語彙数テストを行い、あわせて読書量や読書スピードを調べた結果、完全に比例することがわかりました。
語彙数と読書量の相関もさることながら、小学1年の時には2,000語から7,000語であった語彙数の差が、6年時には8,000語から37,000語と大きく開いているのです。テレビを見ているだけでは語彙数を増やすことはできないというわけです。
子どものうちから読書の習慣を身につけてあげることが、幼児教育においても重要だといえそうです。
子どもの能力を決める要因は「社会的環境」
社会学者のサラ・マクラナハン(1940年-)によれば、どんな家庭に生まれるかによって子どもは「運命の分かれ道」に直面するそうです。